社内のデータ活用を進める責任者やチームメンバーに指名された人にオススメの本 『分析力を武器とする企業』(トーマス H ダベンポート, ジェーン G ハリス)【Kindle・本】

 

企業を発展させるには人と組織が必要。データ分析でも同じ。

データ分析をするために企業が最初に行うことの1つに高価なソフトウェアを導入することがある。ただ、それだけではデータ分析など行えるはずがない。ソフトウェアを使いこなせる人と導き出された結果を受け入れる組織風土がなければ意味が無い。

企業を動かすのは人と企業文化。それはいつの時代も、どんな分野でも変わらない。高価なソフトウェアなんてなくてもExcelさえあればデータ分析は始めることはできるし、統計学の基礎的な知識がある程度あれば分析を行うことが出来る。

システムを導入すればデータ分析が出来るようになることはない。

この本は統計学の本ではなく、企業の分析力を高めるにはどうすればいいのかが記されている。データ分析を行う企業にはいろんなフェーズがある。全く分析力を持っていない企業から少し分析をするようになってきた企業、Google、ネットフリックスのように分析力で高い収益を上げている会社など。

それぞれの企業はそれぞれのフェーズにおいて分析力を高める努力をする必要があり、詳しいやり方が記されている。ここで大切なのは分析力を高める方法が何かしらの技術を導入するのではなく、人材育成であったり、マネジメント層への教育だったりすること。

分析が出来る人材がいて、分析結果を受け入れる組織文化を醸成することの大切さとそれを一歩一歩進めるやり方を参考にできる。

時代の流れからいきなり社内のデータ活用を進める責任者やチームメンバーに指名される人も増えているだろう。そんな人にオススメの一冊。

【引用】

合理的期待仮説という例の有名な仮説によれば、誰もが予想するようなことや誰にでも予想できるようなことから利益を上げるのは難しい、ということだ。なぜなら、合理的な人間はそういうチャンスを見逃さず、既にうまいこと手を打っているはずだから

ある調査によると、個人が作成したスプレッドシートには、二〇~四〇%の確率でエラーが発生するという。スプレッドシートが増えれば増えるほど、エラーも増えることになる

「神ならば信じよう。神でない人はデータをもって来なさい」

信頼区間、外れ値、有意性といった基本的な統計用語も知っていてほしい

生産性の低い社員がいるのに見て見ぬふりをするのは不合理である。それに、がんばっている社員に対して失礼だ。言うまでもなく、データ分析は諸刃の剣である。能力主義を掲げる経営幹部は、自分もその諸刃の剣にかからなければならない。部下には分析結果を適用し、自分には適用しないと言うのは通らない。

【メモ】

分析力を支えるのは組織・人・技術

分析力を武器にするまでの五つのステージ

社内プロセスでよく使われるデータ分析手法

分析重視への転換を妨げるのは、企業でごく普通にみられる次のような症状である。
・「ウチでは昔からこうしてきた」という「常識」が幅をきかせ、その正当性が検証されない。
・経営陣がデータや事実の裏づけのない意思決定をしても、批判されない。むしろヒラメキ型のリーダーの方がもてはやされる。
・分析のスキルを備え、データの山から宝を掘り出そうとする人間がいない。何も思いつかないとき仕方なくやるのが分析だとされ、しかも専門知識をもたない人間が取り組んでいる。
・「そのアイデアはよいか悪いか」よりも「それを言ったのは誰か」が問題にされる

人事分析に本腰を入れて取り組んでいる企業の一つに、携帯電話大手のスプリントがある。同社の人事部は、社員と会社の関係がちょうど顧客と会社の関係のようなライフサイクルをたどることに着目。そこで顧客管理担当副社長のチャド・ジョーンズが人事部に協力し、カスタマー・リレーションシップのライフサイクルにならって、社員との関係管理を次の六つのステージで考えることにした。
1 社員はスプリントについて何を知っているか、それをどうやって知ったか。
2 社員の能力をどのように開発し、適材適所を実現するか。
3 社員の意欲をどうやって引き出し生産性を高めるか。
4 最初の給与をいくら払い、社員にいかに満足感を与えるか。
5 社員が不満や悩みを抱いたときに、いつどのように介入するか。
6 マンネリにならず毎年意欲を高めるにはどうすればいいか。
人事チームはこれらの点をできるかぎり数値で測定し、その分析結果に基づいて、各ステージで社員との関係最適化をめざす。もちろん社員の能力と意欲を引き出すためにも、分析結果が活用されている。

『情報志向』(Information Orientation)によれば、重要なのはシステムよりも文化だという(原注4)。情報重視の文化を支えるのは、一に社員の行動と価値観、二に経営陣の意思決定に示される姿勢、そしてようやく三に情報システムだというのが同書の著者の結論

データ収集に当たっては、次の二点に注意してほしい。
第一は、「とりあえず」だとか「念のために」という理由から、入手可能な情報をすべて集めようとしないこと。
第二に、重要度の低いデータには、簡単に入手できるからと言って手を出さないこと。

【手に入れたきっかけ】

KIndleキャンペーン!

【オススメ度】

★★★★☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。