自分が過去に残してきた箱を自分で開くか、開いてもらうのか『罪の声』(塩田 武士)

過去に置いてきたことが頭の中でフラッシュバックすることはないだろうか。身近な些細なことであったりなんでこんなことをしてしまったんだろうと思うような思い出は誰にでも多かれ少なかれあるだろう。トラウマとまでは言わないけど、こんな恥ずかしい思い出あったなぁ思うことは誰にでもあるだろう。

自分の身近なことであれば恥ずかしいで済むのかもしれないが世間を大きく騒がせた事件に自分が知らず知らずのうちに大きく関わってしまっていたらどうなのか。その時代を生きた人は全ての人が知っているような大きな事件で使われた子供の声のテープが自分の声だったことを大人になって知ったらどうするか。そんなところから物語は始まっていく。少し前に映画化もされた小説でモチーフとなっているのは昭和の未解決事件の中の1つであるグリコ森永事件であり、警察に対する犯行予告で使われたテープに自分の声が使われていた男とその事件を調べることになった新聞記者の男の二人がはるか昔に起こった事件の真相を探っていく。

はるか昔の事件であっても今までにない視点で調べていくことによってたくさんの人の名前が上がり、ひとつの答えが見えてくるようになる。キツネ目の男と呼ばる唯一犯行グループの中で顔が割れている男とその男と一緒に事件を起こした犯行グループの全容はひとつの説としても説得力のある内容になっている。ミステリーでありつつも人の生き方と犯罪に関わることによって起こる周りの人達には消えることのない重さが残ることを強く感じさせる内容だった。

【手に入れたきっかけ】

話題になっていたので

【オススメ度】

★★★★☆

The following two tabs change content below.

小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。