儚さの中の光がたまらない上谷沙弥がベルトを奪取した スターダム「STARDOM DREAM QUEENDOM 2021」2021年12月29日 ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 上谷沙弥 VS 中野たむ

 

女子プロレスの中では肩を並べるレスラーはいないのではないかと思えるハイフライヤーである上谷沙弥が団体の最高峰のベルトの1つを手にした。男子であれば飯伏幸太に重なるレスラーで林下詩美の赤いベルトに挑戦したときには飯伏とオカダの試合に重なって見えていた。

林下詩美と上谷沙弥の試合はオカダ・カズチカと飯伏幸太の関係が思い浮かぶ「バトル」「レック Presents スターダム10周年記念~ALLSTAR DREAM CINDERELLA~」

飯伏の方はリスクのある飛び技を抑えたり、ケガをしたりの難しい中で上谷沙弥はどんな年の重ね方が気になる存在になっている。シンデレラトーナメントで優勝して満を持して挑戦した7月の横浜では破れてしまっていてそのリベンジマッチということもあり、羽ばたくのを見届けたいと思ったりする相手はアイドルレスラーから貫禄を持った唯一無二の存在になった中野たむ。

2021年7月4日 『YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Summer』

貫禄を持つようになったたむと危うさの表情の上谷

尊敬していた岩谷麻優の元を離れて自分のユニットを作り、スターダムの頂点の2本のベルトのうちの1つである白いベルトを6度も防衛したこともあって貫禄を増していた。ジュリアとの髪切りマッチもありその時もすでに試合の凄さはあったのだけど、それが更に大きくなっていると感じさせる試合だった。大きくもないし、そこまでのパワーがあるわけでもないし、たくさん飛ぶわけでもない。でも、試合が面白いと感じさせることはプロレスラーとしての厚みなんだと感じさせる。

「ゴツン」という音が聞こえる中で飛びまくった試合

向正面のいい席で座ってみていて実況席の反対側で開けているという場所のよさから場外ダイブや場外での場外での小競り合いを間近でみることができてとってもよかったのだけど、上谷の最初の場外ダイブで衝撃を受けた。

トップロープに走り乗ってのダイビングアタックだったのだけど、目の前で誰かの頭が地面に打ち付けられた「ゴツン」という音が鳴って地面が揺れた。ダイブを受けた中野たむが地面に打ち付けられた音だったように感じるのだけど、とてつもない音でこのまま試合を続けていいのかと思えるような音だった。そんな中で1つのワザをめぐる攻防が結果を大きく動かした。

決めきれなかった中野たむへ不死鳥が舞った

中野たむの必殺技であるトワイライト・ドリーム(変形のタイガー・スープレックス・ホールド)は髪切りマッチでジュリアを下したワザでもあり、これが決まったら終わりだろうという技であり、この試合でも決めるところまでは持っていった。上谷の体がトワイライト・ドリームを食らって宙に浮いた時にまた勝てなかったか…と思ったのだけど、そんな簡単には終わらなかった。

トワイライト・ドリームの放物線はロープに引っかかり、フォールもロープブレイクとなったことでカウントはされず、千載一遇のチャンスを逃した中野たむに対して投げ技からフェニックス・スプラッシュを決めて白いベルトを奪取した。どこか不安定な感じが表情にも出ていてそれが魅力であり、その不安定さが飛び技を得意技にしていることもつながって目を離せないレスラーだったりする。これから不死鳥がどこに進んでいくのかどこまでいけるのかを追いかけたくなるタイトル奪取だった。

2021年12月29日 『STARDOM DREAM QUEENDOM 2021』

 

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。