反省なしで放射能対策のみを書いているのであれば責任感と倫理観を疑う。『原発と、危ない日本4つの問題』

届いてから色々あって読むのが、遅くなってしまった献本シリーズ1冊目。テレビでも出てくる武田邦彦さんが原発、そして、食品リサイクル、ゴミ問題、ダイオキシンについて語ったもの。それぞれのテーマについて、マスメディアでは語られていない視点から切り込んでいるし、「そうなんだ。」と感心することがある。ここに書いた4つの問題についていろいろ知りたい。という人には素直に勧める。
科学者だから大きく間違っているか箇所はないけれど、本当に鵜呑みにしていいのか?と感じる箇所がある。もう少し根拠があれば良いのに一般向けに書かれていたブログをまとめたものだからこそ仕方ないのかもしれないけど、語っていることの証明をもっと丁寧に欲しかった。
読んだ人が他の人におススメするにしても、内容を語るにしても不十分かな。と思ってしまう。
そして、この筆者の略歴を見ると旭化成ウラン濃縮研究所からいくつかの教授を経て内閣府原子力委員会及び安全委員会専門委員も務めている。つまり、国の原子力政策に何らかの形で関わっているその中でも恩恵を得ていたのではないか。と言うことまで可能だと思う。立場的にそう考えても仕方ない。

P28 研究者である私が原発を批判する理由

というパートがあるが、4ページに過ぎず、資源の問題に終始してしまっているのが、少しやるせない気持ちになる。
ずっと原発を批判してきた科学者である小出 裕章さん(「原発はいらない」)でも責任を感じているのに、プラスの力を原発政策に与えていたと思われる筆者がこうすればいいのではないか。という今の原発の批判に終わる。それも、どうすれば自らを放射能から守るのか。という方法の話で終わってしまい、原発はどうするのかということや、自己の研究の振り返りという2点についての話がほとんどなされていない。
他で原発語りをしたり、自己の責任を考えることをしたりが行われているならいいけど、してない上で対策のみを書いているのであれば責任感と倫理観を疑う。内容としてはおもしろい記述があったので☆3つにしておこう。
深みのなさで☆4つにはできない。心のない知識がちりばめられているだけのように感じるから。

思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、
同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。