トンネルの歴史と日本の近現代史は重なる。『鉄道とトンネル:日本をつらぬく技術発展の系譜 (シリーズ・ニッポン再発見)』(小林寛則, 山崎宏之)

 

人類最初のトンネルは紀元前2,000年ごろのバビロニア。そこからいろんなトンネルが作られてきた。戦時中は隧道と呼ばれていたトンネルは今の日本の交通網には欠かせないものになった。

そもそもトンネルってなに?と聞かれて答えられるだろうか。1970年のトンネル勧告会議での定義は「計画された位置に所定の断面寸法をもって設けられた地下構造物で、その施工法は問わないが、仕上がり断面積が2平方メートル以上のものとする」らしい。ふむふむってぐらいですよね。同じです。

でも、小ネタとしてはおもしろいなぁと思いました。そんな基礎知識から日本への話はうつり、明治時代、昭和初期、戦後の時代ごとの特記すべきプロジェクトが紐解かれたうえで新幹線、地下鉄、リニアとトンネルの関係へと移っていく。

明治初期の中では碓氷峠の鉄道のお話、昭和初期は福岡と山口を結ぶ日本初の海底トンネルである関門トンネル。戦後は青函トンネルが印象に残ったかな。

さまざまなところで引用されている川端康成の『雪国』の書き出しじゃないけど、トンネルの向こうとこっちでは世界が変わることもある日本とトンネルの歴史に浸る時間があってもいいですね。歩いてトンネルを抜けることがあったらちょっとじっくり見てしまうかもです。

このニッポン再発見シリーズは他にもマンホール、銭湯、タワーなどがあってそちらも気になりました。

【手に入れたきっかけ】

「本が好き!」というWebサービスの絹本キャンペーン!

【オススメ度】

★★★☆☆

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。