本の中では絶対、決して終わらない本。 『マボロシの鳥』

ほどほどに好きな芸人である爆笑問題・太田光さんの初めての小説集。9つの長さの異なる物語が入っていて、「マボロシの鳥」はその内の1つで、最も長い作品。もちろん、良い作品だったけど、自分は「ネズミ」と「奇跡の雪」の2つがトップを争う。今は、「奇跡の雪」がリードしているような気がする。
全体として、大人が読む小説。といった印象と、言いたいことはあるけど、それをはっきり言わない意思、そして、一面的には絶対に物事をとらえない見方が感じられる。読む人によって、様々な事柄を類推するんだろうな。と思う。
「マボロシの鳥」という本を読んでいるんだけど、そこから他の事柄、事件、人、気持ち、社会など色々なものを考え、思いをはせる。ストーリーを楽しめるのかもしれないけど、ここまで読みながら、この本の内容以外のことを考えた本はない。なんか、とらえようがない不思議な本。
本の中では絶対、決して終わらない本。というのが、自分の中でこの本を表す時に使う言いかた。いくつか、太田さんらしい、皮肉だけど、良い感じの言葉がある。
渋谷について、

P56 人間の煩悩の数も普通の数では収まらず、一つ多めの一〇九.それを掲げたバベルの塔が高くそびえる欲望の街

という表現は一番好き。
評価は難しい。いろんな見方があるのは良いことだし、かなり好きなんだけど、心には届かない気がする。そこまでじっくり読めていなかったのかもしれないけど、読めなかったのも含めて本の力だとして、☆4つ。

マボロシの鳥
太田 光
新潮社 ( 2010-10-29 )
ISBN: 9784103285113

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。