相手に気づかれないように相手のものを取る犯罪行為であるスリを漢字で書くとこの作品のタイトルである掏摸と書くらしい。ちなみにスリをする人のことはおなじ読み方だけど掏児と書くらしい。(ウィキペディア情報ですが…)
閑話休題、スリで生きてきて今も生きている。スリという非日常が日常になっている男の日常が1人の男との出会いの中で非日常になっていく。その男も街の片隅で生きているんだけど、片隅とは言えないほど大きな力をもって片隅から放つ影が光を覆う可能性を秘めている。
そんな男はスリに生きる男の影を深い影で覆っていく。そんなどうにも抗えない男との邂逅とたまたま出会ったスリをさせられている男の子との日常が描かれる。
世界は理不尽に覆われている
と物語の中で出てくるように理不尽な世界の中で生きるスリを描く。決してかっこよくないし、暗い。でも、この男の行末を読みたくなるのは境遇によっては自分もこうなる可能性があったことの裏返しなのかもしれない。
筆者が姉妹編とする『王国』も読んでみたい。
スリ – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AA
【手に入れたきっかけ】
友達に勧められてこの人の本を読んでみたいと思ったので
【オススメ度】
★★★★☆
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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