頑張って読みきった人にとっては☆5つや4つになるかもしれないけど、紹介するとしたら☆3つ~栗田 哲也「数学に感動する頭をつくる」~

P5 数学を身につけるためにはどのような能力が必要で、そのためにはどのようなことに気をつけたらよいのだろうという疑問が当然生まれるだろう。それを説明するのが本書の課題なのである

とはっきりと目的付けた上で始まる本。正直言って前半は読み進めるのに苦労した。どちらかと言うと数学、特に図形(この本では幾何と言っている)が苦手であり、この世界に久しぶりに触れるということもあるが、筆者がとても読み手に優しくない文体で書いているように感じたからである。はっきり言って上から目線だな。と読み取れてしまう。そんなことは思っていないのかもしれないし、無頓着なのかもしれないけど。もしくは、これが数学を教える人の書き方なのかもしれないが。ただ、

P33 数学の能力。一口にこう呼ばれている能力の中には、なんていろいろな種類の能力が隠れていることだろう!
こんなさまざまの能力を全部一緒くたにして「数学力」などといわれたところで、そんな力を身につけさせる方法などあるはずがないし、語れるはずもない。

P42 解けそうもない問題を自力で考えるという一見効率の悪そうな学習法が実は世間で最も頭のいい人を生むのはそんなわけである。

P112 「できない子が出るのはかわいそう→カリキュラムを機械的に計算できるもの主体にする→それでもできない子が出る→ではカリキュラムを減らそう」という発想は悪循環を生みました。

という話は興味深いし、色々なオススメ本を紹介してくれる。最後には数字に関する能力(数感)を伸ばす方法をはっきりと提示してくれる。これにたどりつくと内容は一本につながっていることが確かめられる。それとともに、少し残念な気持ちになる。それは読んでもらえれば分かるかもしれない。
正直、後半からはスイスイ読むことができた。それは前半を受けて読むペースが上がるからである。つまり、前半をがんばってとばさずに読めば、理解できる本であるし、子どもの教育や数学教育について考える人には良書だと思う。しかし、最初の難しさと丁寧じゃない筆者の考えをストレートに伝えるために丁寧に書くことを避けているのかもしれないけど、それはマイナスと考えざるを得ない。頑張って読みきった人にとっては☆5つや4つになるかもしれないけど、紹介するとしたら☆3つ。

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。