東京女子の生え抜きで初期メンバーに近い坂崎ユカと辰巳リカが長く組んでいるパートナーとともに東京女子プロレス初の両国国技館大会のセミファイナルのリングに立った。それぞれのパートナーである瑞希と渡辺未詩も東京女子で戦っている期間が長く、思い入れがある大会だったのだろう。坂崎ユカと瑞希のMagical Sugar Rabbits(マジラビ)と辰巳リカと渡辺未詩の白昼夢の両方とも長いあいだ組んでいるタッグであり、レベルの高い攻防が生まれると期待があったカードだった。
試合前の空間はこの大会で一番!
8人タッグマッチで戦ったNEO美威獅鬼軍の入場はサプライズもあり単体としてはこちらが上だったかもしれないけど、1試合の入場のド派手さで言うとこの試合の方が上だった。白昼夢はアイドルらしい神輿に乗って鬼のお面を被りピンクの法被を着た謎の集団に担がれて、お祭り状態で入場してきた。アップアップガールズ(プロレス)としてアイドルとして活動している渡辺未詩以上に辰巳リカがノリノリだったかな。これだけでもサプライズだったのだけど、マジラビは動く足場の上に絨毯の上で探検をしているイントロからアイドルのライブで使われるようなトロッコ(動く足場)に乗って花道ではなく客席の中を通って出てきたことでこの大会を通して一番お客さんに近づいたシーンだったかもしれない。プロレスの会場でトロッコを見たのは初めてだったのだけど、この演出は画期的で、他の団体や他の大会でもありだなぁと思わせる。そんなハピハピな空気の中で試合が始まる。
合体技も個人の技も惜しげもなく出し切っていった。
マジラビの合体技であるトイ・ストーリーシリーズや白昼夢の渡辺未詩のパワーを使ったとんでもない連携技などタッグとして序盤から技をぶつけていった。そんな中でも4人それぞれがシングルにおいても団体のトップのベルトを賭けて戦ったことがある実力者であることもあって、キレのある技を出していった。瑞希の渦飴(うずあめ)、渡辺未詩のまとめてジャイアントスイング、坂崎ユカの魔法少女スプラッシュ、辰巳リカのトップロープからのミサイルヒップなど個々の力も弾けていった試合だった。
最後は坂崎ユカと辰巳リカで決着なのがいい
東京女子を初期の頃から知っている坂崎ユカと辰巳リカのマッチアップで決着がつくことになる。それぞれタックの中では先輩でありシングルタイトルを巻いたこともあってリーダーと言っても過言ではない。タッグマッチだとリーダーではない選手同士での決着になったり、片方はリーダーで片方がリーダーではない組み合わせになってリーダーではないほうが負けるのかなと思うことがあるのだけどどっちが勝つかわからないバチバチの試合を見せてくれた。タッグトーナメント優勝した白昼夢エタニティから辰巳リカのトップロープからのミサイルキックのコンビネーションが決まらず、坂崎ユカの大舞台に映える魔法少女にわとり野郎で3カウントになってマジラビが王座を防衛した。
入場から試合内容、試合後のマジラビのいい表情も含めて東京女子のタッグの頂上決戦だったと言っていいセミファイナルだった。
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小檜山 歩
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