大学生の頃にこの名前に触れたことがある。『エルサレムのアイヒマン』という本が学術的にも一般的に話題になって話を聞いた。そんなハンナアーレントにもう1回触れてみる。
悪の反対は善ではなく、試行錯誤を避けることであり、考える続けるのことの価値を何年も前に説いた。
アーレントの原点に触れるのは少し大変なので、原典を読み解く新書を読んでみる。
学生の頃に触れた考えてこんなんだったなぁと思い出した。ユダヤ人の大虐殺のようなとんでもないことをする人は普通の人なのかそれとも元々おかしな人なのか。 一般的なメンタリティとしては自分とは違う人が恐ろしいことをすると理解した方が心の安心を保つことができる。
でも、果たしてそうなのか。ハンナアーレントがこんな問題があったのかわからないが、ユダヤ人の大虐殺を管理したと言われるアイヒマンの裁判で受けた印象がここにつながる。
あいつらは別と自分とは違う場所に置く所から全体主義は始まり、ハンナアーレントはそれを悪と考えた。 自分は分かっているとする気持ちに鳴子とは楽かもしれない。ただ、一人一人の試行錯誤がアイヒマンのような凡庸な悪を生むことを防ぐ可能性を持っている。少し前からきな臭い世の中の中で、相手を敵に回し自分は正しいと主張し続けることが本当に正しいことなのか考えないといけない。アイヒマンの分析は今にもつながっているのかもしれない。
人事のコンサルをやっているがゆえに組織について触れられている箇所はやっぱり気になる。著者はナチスとオウムの共通点をあげる。それは、上にいけばいくほど秘密を教えてもらえるルールによってこの二つの組織は成り立っていたということ。普段働いている会社も上がっていかないと教えてもらえないことが多かったりするがそれは健全ではないのかもしれない。様々な意見を受容し様々な意見によって発展する組織を目指すとすれば可能な限り情報はオープンにしないといけない。ナチスやオウムを省みると会社の組織の話までつながるのも本の面白いところ。
【手に入れたきっかけ】
Kindle Unlimitedの対象だったので
【オススメ度】
★★★★☆
小檜山 歩
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