日本を代表する書評家、というか他の書評家を知らない。
そんな豊崎由美さんが書評について語った1冊。
光文社のPR誌で2008年7月から2009年11月まで連載されていた
「ガター&スタンプ屋ですが、なにか?わたしの書評術」をまとめたもの。
“ニッポン”の書評というタイトルだけど、
イギリスなど外国の書評文化についても多くのページを割いて触れた上で、
ニッポンの書評について語っている。書評家はただの
「ガター(抜き取り屋)・スタンプ屋」と言われていることや、
ある作家は書評家のことを「くず野郎」と言っていることなどから語りが始まる。
その後、批評と書評の違いや、窮屈なジャンルであることの難しさ、
掲載される媒体によってスタイルが変わることなどについて述べられている。
本当にこの人は書評を愛していて、文章について厳しい気持ちを持っているんだなぁ。
と感じた。“自分”の書評について、厳しいのはわかる。
でも、書評“家”としての姿勢が“自分以外”の書評にも厳しい語り口になっている。
それが一番表わされているのがブログやAmazonのブックレビューなどで
書評“のようなもの”を書いている人への苦言につながっているんだろう。
「ブログで書評を書いている皆さん、あなたがたは守られてるんです。
安全地帯にいるんですよ。そして、安全地帯に身をおきながらでは批評の弾が
飛び交う戦争に参加することはできない」(P117)
そして、「何を書いてもオレの自由じゃん」と言うブロガーに対しても
「自由の怖さや自由が内包する不自由さを自覚しない人間は、ただの愚か者」(P118)
という厳しい言葉をぶつけている。
ブログとかに本について書いている1人としてしっかり心に受け止めておこうと思った。
もちろん、内容に100%賛成している訳ではない。書評にあらすじ紹介は必要なのかな。
と思っている自分がいる。
でも、書評を書く前にどうやって本を読むかとかどうやって書評を書けばいいのか。
の豊崎流のやり方まで説明してある。これは良い。
書評を書く参考にさせて頂いています。☆4つかな。
☆なんてつけたら怒られるかもしれないけどつけさせて頂きます。
なんか悔しいので☆5つはつけません。完璧な書評を書けないと書いているのに、
それに☆5つは無理かな・・・
でも、書評を書く人(もどきを書いている人も含め)は読むべきだと思う。
勉強にも参考にもなること間違いない。
思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、
同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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小檜山 歩
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