小説を丁寧にアニメ化。
名作と言われているミステリー小説を丁寧に1クールの物語に収めたらこうなる。
良くいえば忠実で悪くいえば間延びしている感があるところもあった。忠実と言っても1つの大きな事件がカットされたりと原作から修正している点はあるんだけど、物語の核となるトリックはそのままだし、提示させる哲学的なテーマも踏襲されている。
事件をコンパクトに収めて急かして展開されることが多い最近のアニメに反して1つの事件を丁寧に描こうとする試みがハマっていた。出てくるキャラクターが理系寄りで現実離れしているんだけど、たまに出てくる哲学っぽい語りが目立つ。
理系と文系の区分けを簡単に使うべきでないのはわかっているんだけど、頭の中をこねくり回す文系の人よりも物事をシンプルに捉えようとすることの多い理系の人の方が思想を紡ぐには適しているのかもしれない。ITが個人のものになりつつある時代だった1996年らしい「すべてがFになる」の言葉の意味とトリックに驚くだけでもこのストーリーには満足できる。
☆3つ
TVアニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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