「そう。今宵は祝おう。才覚溢れる凜田莉子の船出を。万能鑑定士Qの巣立ちを。」
偽札が大量に出回り、日本円の信用がなくなり、激しいインフレになる。あり得ない話ではないかもしれない。トリックも事件もありえそうな話で、みじかに影響がありそうな話だからこそ、このシリーズに引き込まれている。
一巻がプロローグだった偽札事件を追う万能鑑定士。その先にはミステリーらしい悲しいが明るい結末が待っている。万能鑑定士Q、最初の大きな物語の幕切れ。
最後のやりとりはかっこいい探偵!って感じではなくて、しっとりしたやりとり。それが目の前で行われているように映像が浮かんでくる。
「あなたは尊敬すべき人でした。誰よりもやさしくて、いつもまじめで、理想をめざす人だった」
この言葉が嫌味ではなく素直に心の中に入ってくることにこの本の強さを感じる。
【引用】
この国に戦争を仕掛けようとすれば、兵器を揃えるのに天文学的な金額が必要になる。それを思えば、偽札づくりに好きなだけ金を注ぎこむほうが、国家を破滅させるには現実的
知識に勝る鑑定の初歩として、鑑賞による第一印象は最も大きな手がかりになる。本物には本物の風格が漂っている。それを見極めれば、あとは細部に目を転じて疑問点をひとつずつ検証していけばいい
この幸せを失いたくない。みなを悲しませたくない。紙幣といえど、たかが一枚の紙きれにすぎない。そんなものに何もかも奪われたくはない。
【手に入れたきっかけ】
好きなシリーズ物なので、KIndleセールの時にまとめ買い!
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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