親から子供に向けるメッセージとしてここまでしっくりくる言葉はなかったかもしれない。貴族の家で生まれたアルテは母親の意向に反して貴族の女性として生きる道を歩まず、画家として歩いてきた。まだまだ道の途中だけど、なんとか自分で食べられるようになってきた。
政治と芸術が密接に関わっていたこの時代だからこそアルテは絵を描く場所を変えなければいけなくなる。そんな厳しい状況で移動をする中で画家として認められていないと思っていたお母さんと再会することになる。手紙を送っても返してくれなかったお母さんの真意を知るために、画家として先に進むためにお母さんと会話をしていく。緊張感がある中でも母の優しさを感じさせてくれる会話はこれまでのアルテの生き様とも重なって感慨深い。そして、メッセージが投げかけられる。
どこにいても、誰かを傷つけることなく、まっとうに生きてくれればそれでいいわ。頑張って生きて、幸せになって。
まだ子供が産まれて半年も経っていないけど、こんなことを思いながら子育てをしていきたいと思うような言葉だった。物語はフィレンツェからカスティリャ王国へと移り皇帝カール5世とも関わるようになってくる。皇帝という当時の最大権力者であっても悩みは尽きないことがひしひしと感じられるような描写になっている。新しいキーパーソンになりそうな護衛のグイドが気になってくる。
【オススメ度】
★★★★★
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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