これも『ご臨終メディア』からの内容なのだが、ニュースなどで殺人事件が起こると「遺族の方の気持ちを考えると~」というようなコメントがあるが、このコメントは無責任であり、また、思考の放棄を促しているように思える。
まず、無責任であるとの点だが、このコメントを出す人は遺族の立場を代弁しているだけであってキャスターやコメンテーターとしての個を代弁しないのである。これは、一つには批判を避けるためというのが大きいように思う。コメントに対する苦情が来たときに、あの発言は遺族の立場からそれを案じて発言したものなので、局の意向を反映したものではない。というような伝える側の個が消滅するのである。これは、報じているにも関わらず報じている主体には責任がないとするような姿勢であり、無責任と呼ばざるを得ない。
また、その遺族の立場からという報道は見ている側にも可哀想という事だけを埋め込み、その問題に関して思考する事すら禁じているように思える。それは、個として発言する事があまりに少ない上、容疑者の立場から考えるとというあってもおかしくない多面的な視野が全くない事に起因しているだろう。それによって『遺族の立場』(テレビ局が決めた)からの理解しかせずに終わってしまうのである。
この現状は視聴率至上主義のテレビ局だからゆえ仕方ないが、それであってもたまには視聴者に考えさせる番組がたまにはあっても良いように思う。そのような番組が現状では少なすぎるのである。
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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