レビューと小沢一郎という政治家について～『NHKスペシャル証言ドキュメント_永田町権力の興亡~1993-2009』から Part1

1993年、初の政権交代後の政治の世界をその場に居た証人達の証言から追うNHKが放映したTVシリーズを本にしたもの。
全体的に1993～2009までの日本の政治の中心を復習する教材として良いもの。読んでいて楽しいし、政治が伝わってくる。何より、これだけの人に話を聞いている取材力に脱帽。今の政治を見るのに必要な一冊。
インタビューをしたのは以下の通り。（敬称略、順不同）
小沢一郎、管直人、森喜朗、野中広務、武村正義、村山富市、亀井静香、山崎拓、古賀誠、江田憲司、加藤紘一などなど
その中で気になったページを書き留めたけど、以下の通りものすごい量。まあ、読めないと思うので打ち直します。
その中でもいろいろ気になったことを4回に分けてまとめようと思う。
一回目は本自体のレビューと小沢一郎という政治家について。
藤井裕久氏は以下のように語る
P104-105 「平成の政治の歴史を裏で作っていたのは、小沢さんと野中さん。そう言っても言い過ぎではないですね。この2人を中心に動いたことは間違いない。後は、言葉は悪いけど、踊った人たちです」
という中の一人である小沢氏が本の最後のほうで国民について語っている。
民主政権によって私たちの暮らしは必ずよくなるのか。という質問に対して
P242「よくなりますよ。それはね、今、君の言ったこと・・・「変えてほしい」じゃダメなんだよ。「私たちが変える」んだよ。ケネディの演説じゃないけど、国が何かをしてくれるかじゃないから。自分たちが社会のためにどういう働きをすることによって、よりよい社会を作るのかっていうのが民主主義の基本だから。政治っていうのは、その国民の意思を、委託を受けてやるだけの話だからね。
だから、日本はまだまだ、日本人は自立心がない、足りないって言っているんだよ。だから、どこへ行っても、僕は大衆、みんなの前でもね、あなた方自身の責任だと。自分たちで政権を作ったり代えたりすることのできる権限を持っているのに、それを行使しないでぶつくさ文句ばっかり言っていちゃダメだと。自分たちで自分たちの生活を作るんだと。そういう意識が、今度の政権交代で芽生え定着すれば、僕の本懐。」
これを読んで、小沢氏が行いたかったこと、行いたいことは政策ではない気がする。小沢氏が語るように、国民自身が気付いていなかった国民自身の力を国民自身に気付かせることが一番の目標なんじゃないかな。国民によって政権交代は起きた。でも、国民の力によってのように見えただけで、実際、国民の力ではなく、反自民の空気を出し続けたマスメディアと民主党の小沢氏たちの力によって、政権交代は起こり、案の定約束であるマニフェストは実行できない（しない）まま、管政権になり、国民のテンションは下がっている。
小沢氏は政治によって国民を変えようとした。考える国民に。でも、政治だけじゃなく、教育とか様々なものを変えないと政権交代は起こっても国民自体は変わっていかない気がする。国民は変わっていない。だから、小沢氏はこれからも活動するし、何をするのかを見てみたい。
国民は変わらないといけない。と小沢氏の口からはっきり言えばいいのに。と思うのはこひやまだけかな。
１、レビューと小沢一郎という政治家について
２、政権を奪い合う政争
３、加藤の乱
４、小沢一郎と管直人
『NHKスペシャル証言ドキュメント_永田町権力の興亡~1993-2009』
http://www.amazon.co.jp/NHK%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E8%A8%BC%E8%A8%80%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E6%B0%B8%E7%94%B0%E7%94%BA-%E6%A8%A9%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%88%88%E4%BA%A1~1993-2009-NHK%E3%80%8C%E6%B0%B8%E7%94%B0%E7%94%BA-%E6%A8%A9%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%88%88%E4%BA%A1%E3%80%8D%E5%8F%96%E6%9D%90%E7%8F%AD/dp/4140814160