「今、聞いている人に自分は喋りたいと思ったことを話しかけるしか出来ない」小島慶子さんが「小島慶子キラ☆キラ」のパーソナリティを3月いっぱいで降板することになった理由を語った 「Podcast 小島慶子キラ☆キラ 2012年1月26日 オープニングトーク」

【ポイント】
1,小島慶子さんがラジオを降板する理由を話したものの書き起こし
2,ラジオで放送局さん批判とも取れることを真っ向からするラジオパーソナリティ
3,「俺らに関係なくね?」という批判を秘めた言葉
4,会社とやりたいことのジレンマ
5,人と話す時に何を大切にするべきなのか

ピエール瀧さんとのコンビの曜日でした。
日刊スポーツに「小島慶子、キラ☆キラ降板へ」という記事が出ていることについて、小島さん自身が、そのラジオ番組で語れる範囲のコトを全て語りました。興味深い話だったので、可能な限り、核だと思う部分の書き起こしをしてみました。

小島慶子(以下、小):TBSさんもちゃんとここ、Podcastで配信してくださいね。気にしている人も居ますから

からスタート。

小:去年末頃に、えー、私は降板を申し入れたと書いてありますが、本当です。

と言い、理由について説明していきます。

小:去年、えー、2011年ていうのは、なんかね、スゴく私にとって放送ってなんだろうなぁって、放送っていうか、自分がその、人前に出るってことはなんなんだろうなぁってことをね、考える1年だったんですよ。
ピエール瀧(以下、ピ)うん。
小:あのー、そりゃ、やっぱり、3月11日にね、あの、このスタジオに居る時に地震が起きて、
ピ;はい。
小:で、あん時に私はラジオで喋ることになったわけですけど、放送中だったんでね、でね、そん時に誰に話しかけたかっていうと、<一呼吸置いて>一緒に揺れている人に話しかけたんですよね。
ピ:うん。
小:もちろん、顔は見えないよね、ラジオだから。
ピ:そうですね。はい。
小:顔は見えないけど、きっと今、これを聞いて一緒に揺れている人が居る。
ピ:うん
小:しかもそれは、私にとってやっぱ“あなた”だったんですよ。
ピ:そうですね。
小:“あなたたち”ではなくて“あなた”。
ピ:はい
小:一緒に揺れている“あなた”っていうのが必ずどこかに居る筈だと思って、あの、ぜひ、一緒に助かろうと思って話しかけたんですね。
ピ:うん、
小:で、やっぱり、それが私にとってラジオで喋るってことで、いるかいないか分からない。でも、きっと居るに違いない“あなた”に向かって私に言えること、私がしゃべりたいと思うことを差し出しますからいる人はあの、受け取ってくれたら嬉しい。もちろん、いらない人っていう人も居るだろうし、そりゃ私には決められないけど、もし受け取ってくれる人が嬉しいなってこと。なんですよ。
ピ:うん
小:私にとってしゃべるってことはね。
ピ:はい
小:だからね、自分がそのどこかにいるかも知れない、“あなた“にそれが届けばいいなぁ、誰かが喜んでくれたら嬉しいなって思って自分が喋りたいこと以上のね、ことを喋る才能は私にはないんですね。
ピ:うん。
小:ということを本当に思い知った1年間で、であの、もう、何十といえる、覚えきれないぐらいの取材を去年は受けました。ラジオとは何だと思いますか、放送とは、人と人がつながるとは、あるいは、これから、人と人が互いに関係を深めていくためにはどんなことが必要な時代だと思いますかとか、いろーんなインタビューを受けて繰り返しお答えをしながら、自分でも考えを巡らせたんですけどね、やっぱりそれはね、本当に数字には表せない、値段もつけられないことだけど、自分のことなんか、気にしてないよな、って思ってた人が、あっ、ちょっと話の通じる人がここに居た、と思ってくれることが嬉しいんです。私は。
ピ:うん。
小:でね、それは人数とかじゃなくてね、
ピ:うん
小:あるときはバカ話かもしれないし、ある時はまあ、ちょっと真面目な話しだったりするかもしれないけど、誰かが、あっ、ここに話しの合う人が居た。良かったぁ。ちょっと寂しい気持ちもしてたけど、ま、この世には話しの分からない人ばっかりじゃないんだなぁ、自分にも話の合う人が居たんだ、と思ってくれたらそれでいいんです。私。
ピ:うん、まあでも、ラジオに出ている人に限らず、人前に出る人はみんなそのはずですけれども、
小:ねえ、それがないと出てられないからさ
ピ:まあ、そうでしょうね。はい。
小:だったんですね。で、去年、そういうことだなぁ、ってごくごくシンプルに自分の原則っていうのにすごーく向き合う機会が多かったんですけど、ちょうど、あの、時を同じくして、やっぱり、ラジオに注目が集まっていてね、ラジオはこれから再び注目されて、あのー、価値が見直されてきている、というインタビューも受けました。で、ラジオ業界もそれをわかっていたんだと思うんですけど、
<麦茶?ウイスキー?休憩>
小:やっぱり、そこで番組側から出てきた要求というのは、うーん、せっかくまたラジオに注目が集まってきているので、ぜひ、取って欲しいお客さんが居るんだ、と。
ピ:取って欲しいお客さん?
小:そう、ぜひ、聞いて欲しいお客さんが居るんです、と。うちの番組としては。それは40代から50代の男性の自営業の人達になるべく生でいっぱい聞いて欲しいんです。
ピ:なるほど。
小:せっかく、まあ、ビジネスチャンスですからね。ラジオに注目が集まって。
ピ:はいはい
小:だから、ぜひ、小島さん、あの、40代から50代の男性の自営業の人たちを意識した喋りをして下さい。
ピ:うん。
小:そういう人達に、あのー、しかも、まだラジオを聞いていない人たち、あるいはこの番組を聞いていない40代・50代の男性自営業の人たちが振り向くような、その人たちを呼びこむように意識して喋って頂けませんか、相方の男性の方はだいたい40代ぐらいの男性ですから、その方に40代男性ってどんな感じですかぁ?って
ピ:あ、40代男性って僕のことですね。
小:そうよ、あなたよ、瀧ちゃんよ。40代男性ってどうなの、40代男性的にはどうですか、って水を向けてで、答えをもらって、40代50代男性の共感を呼ぶようなやりとりをしてくださいと。
ピ:本当にそれで40代男性の共感を得たいならパートナー、僕じゃないほうがいいですよ。
<ここでまた、少し笑い>
小:でね、そのやりとりがね、そのTBSのこのまあ、番組側と私のやりとりがずっと続いたんですよ。やっぱり、この番組としては昼間からその、あのー、毎日じゃないですけど、震災後に『つなみ』っていう文集を紹介したこともあったんですけどね、番組としては昼間っからああやって子供たちの書いた作文を朗読したりとかじゃ、あの、今までラジオを聞いていなかった人が食いついてくれませんから、そういうのはどうかと思います、とかね、あと、小島さんいっぱいインタビューに答えてますけど、あのー、その都度キラ☆キラの番組の宣伝をしてくれないと、キラ☆キラの得にはなりません、とかっていう、あのー、お言葉があったんですね。
ピ:うん
小:そうすると私の気持ちとしては、うん、あのー私が話したいことの中には馬鹿な話も話したいし、ああ、こういうものを読んでこんな風に思ったよ、って紹介したい気持ちもある。両方、私の喋りたいものだ。それから、あのー、なんでしょうね、あのー、今、聞いてない人に向かって話しかけるっていうのは、ラジオって会話だからさ、私と瀧さんが向き合っているのと同じようにあのー、リスナーさんとも向き合ってるわけじゃない。
ピ:はい。
小:今、聞いている人に話しかけながら、その肩越しに聞いてない人を呼び込む喋りをしろって言われたら私、絶対できないなぁ、って思ったのよ。やっぱり。今、聞いている人に自分は喋りたいと思ったことを話しかけるしか出来ない。だから、今聞いている人はさておき、その後ろでまだ聞いていないえー、TBSラジオが必要としている人たちを呼び込むためにその人達を意識した話し方をしてるんだと、人と人とで例えてみたら、「あー、元気ぃ?」って寄ってきて会話してるんだけど、目はずっと自分の後ろの誰かを探してるって相手と会話してるってことになるじゃない。リスナーにしてみたら。
ピ:はい。
小:そんなのやだよ。私。人との会話とは思わないから。ということで、これはTBSのキラ☆キラの番組側が私に求めている役割と私がラジオでやりたいこと、出来ることって違うなって思ったんです。私がキラ☆キラのために出来ることは終わっちゃったんだな、って思って、やっぱり、キラ☆キラっていう番組はTBSのものですから、TBS側の要望に合うね、
ピ:うん
小:的確にそれを出来る人材っていうのが適材が、居ると思うんですよ。きっとね。だから、それは私の役割では無いと思います、っていうのを繰り返し、去年、申し上げてきたんです。ただ、TBS側からはじゃあ、小島さん降りて下さいってことにはならなかったので、ま、昨年末の段階でそれでは、私としては、あのーやっぱり、キラ☆キラの、えー、やって欲しがっていることと、私がラジオでやりたいことがこれだけ違ってしまったらもうできないです、ってことで、えー、降板を申し入れました。
ピ:うん。
小:うん。んで、えーと、それは受け入れられました。昨年末の時点でね。この先、番組がどうなるかってに事に関しては、これはTBSのものですから、番組がね。これはTBSが発表するっていう時期を待たないといけないので、それは3月だと言われていますから、皆さんには今、この場では説明することが出来ないんです。私もね。だから、TBSが公にこの番組がどうなるのかを発表してもいいと判断した段階で私からもこの番組で改めてご挨拶はしますけどね。
ピ:うん。
小:あのー、そんなことがありました。だから、私が喋るのは3月いっぱいまでです。キラ☆キラではね。ただ、まあ、番組っていうのはいつも、なんだろうなぁ、番組を作っている人としゃべってる人と聞いている人がうまく調和して回っていくものだから、あのー、人ってみんな生きていると変わっちゃうものだからさ、そりゃ誰かが悪いってことじゃなくて、互いに変わってしまったんたのなら、そりゃしょうがないと、私はそう考えるようにしています。で、まあ、自分がしゃべる場所とか、うん、喋りたいこととかっていうのが実現できる場所があったり、それから一緒にやりましょうって言ってくれる人が居たら、また、これからまあ、ラジオなのかネットなのか文章なのかテレビなのか媒体はなんだか分からないけど、あのー、そういう場所があったら喋ったりメッセージを出したりしていきたいなぁ、と思ってます、ということですので、3月いっぱいまでよろしくお願いいたしますとね。
ピ:なるほど、ふふふ。
<ここで一段落>
ピ:まあ、その件に関しては僕、全くなんの意見はないですからね、言いようも無いですしね。いやそうでしょうよ。
<中略>
小:だから、私の進退に関してはは私が考えてそのようにえー、結果が出たということですので、ここにご報告いたしますと。そして、今後のことについてですが、まだ何にも決まっていません。私は。4月以降、何かが決まっているとか、新しい展開があるとか、えー、ね、ウワサもあるみたいですけど、本当に何もないです。ただ、一緒にやろうって言ってくださる方があのー、出てきたときにね、ああ、そこならやってみようかなって思える方が出てきたらね、ちょっとずつやっていこうと思ってますので。
ピ:なるほど、まあねー、あのーーー、よく分かんなかったですけど、まあ、おっしゃったこと、言えないこともあるでしょうし、濁しながらってところもあるでしょうけれども、その40代うんぬんっていうのもあるでしょうけど、そうするとまた、それ聞いた40代の人がオレたちのせいで番組が終わっちゃったのかもと思われてもなんですし、それはもちろん違いますし、
小:うん
ピ:んで、かつ、そういう番組の意向であったり、小島さんが今、言ったことものじゃ“ない”人が居て、やっぱ、大多数な訳で、
小:はい
ピ:その営業ターゲットだったり、そうじゃない人、今までずっとキラ☆キラを聞いてきてくれてた人
小:ありがとうございます
ピ:楽しみにしてくれてた人もいらっしゃるわけで、その人達にとっては、まあ、今の理屈は全く関係ない理由、ですよね。
小:まあ、番組を聞く動機ではないですよね。
ピ:ですよね。聞く聞かない理由はいろいろあるかもしれないけど、それ、俺らに関係なくね?っていう話だったりもしますし、でも、といっても小島さんの放送を楽しみにしてらっしゃる方ももちろん、居るでしょうから、
小:ええ
ピ:そういう人たちにとってはまあ、3月までの2ヶ月ありますから、その間楽しくやっていこうぜっていうのが、僕の、ハハハハッ、僕の意見なんですけれどもね。
小:ありがとうございます
ピ:いや、本当に。そのね、今、言った話に関係ない、外側の人たちにかかってない、外側の人たちにとっては寝耳に水の話でしょうし、なんだよ、ってこともあるでしょうけど、仕方のない話ですよ。はい。
小:というわけで
<番組内容へ>
ピ:すっげー向こうでスタッフ、苦笑いしてますけどもねぇ。
小:ねぇ、もう、本当に。これが、これが現状お話できる私の全てですので。
ピ:そうみたいですね。いろいろあるんですね、大人の都合がね
小:ね、放送局さんには放送局さんの事情があるみたいなんで。ね。
<本当に内容へ>

この後、この点についても笑い話にしたりしています。
①ラジオで放送局さん批判とも取れることを真っ向からするラジオパーソナリティ
②「俺らに関係なくね?」という批判を秘めた言葉
③会社とやりたいことのジレンマ
④人と話す時に何を大切にするべきなのか
の4つのポイントに自分は注目しました!
まず、
①ラジオで放送局さん批判とも取れることを真っ向からするラジオパーソナリティ
直接的な言葉で批判をしているわけではないですが、言葉の端々に批判が込められています。お笑いじゃなく、本当に番組が終わる、ということについて局を批判することが出来るのはそれこそ、やりきれない気持ちがあるのかなぁ、と思ったりもします。
②「俺らに関係なくね?」という批判を秘めた言葉

ピ:ですよね。聞く聞かない理由はいろいろあるかもしれないけど、それ、俺らに関係なくね?っていう話だったりもしますし、でも、といっても小島さんの放送を楽しみにしてらっしゃる方ももちろん、居るでしょうから、
小:ええ
ピ:そういう人たちにとってはまあ、3月までの2ヶ月ありますから、その間楽しくやっていこうぜっていうのが、僕の、ハハハハッ、僕の意見なんですけれどもね。
小:ありがとうございます
ピ:いや、本当に。そのね、今、言った話に関係ない、外側の人たちにかかってない、外側の人たちにとっては寝耳に水の話でしょうし、なんだよ、ってこともあるでしょうけど、仕方のない話ですよ。はい。

ここのピエール瀧さんの言葉は、TBSのその決定はリスナー不在で、大人の勝手な都合でいろんな事が決まったことへのフラストレーションのようにも聞こえる。
③会社とやりたいことのジレンマ
会社のやりたいことと、個人のやりたいこと。小島さんのように、素晴らしい実績があるからこそ、こうやってはっきり言える。言いたいことを言うためにはやっぱり、実績が必要なんだと、このケースからも感じられる。
④人と話す時に何を大切にするべきなのか

小:今、聞いている人に話しかけながら、その肩越しに聞いてない人を呼び込む喋りをしろって言われたら私、絶対できないなぁ、って思ったのよ。やっぱり。今、聞いている人に自分は喋りたいと思ったことを話しかけるしか出来ない。だから、今聞いている人はさておき、その後ろでまだ聞いていないえー、TBSラジオが必要としている人たちを呼び込むためにその人達を意識した話し方をしてるんだと、人と人とで例えてみたら、「あー、元気ぃ?」って寄ってきて会話してるんだけど、目はずっと自分の後ろの誰かを探してるって相手と会話してるってことになるじゃない。リスナーにしてみたら。
ピ:はい。
小:そんなのやだよ。私。人との会話とは思わないから。ということで、これはTBSのキラ☆キラの番組側が私に求めている役割と私がラジオでやりたいこと、出来ることって違うなって思ったんです。私がキラ☆キラのために出来ることは終わっちゃったんだな、って思って、やっぱり、キラ☆キラっていう番組はTBSのものですから、TBS側の要望に合うね、

はっきりと「人との会話とは思わないから」と言っている。捉え方次第では、TBSラジオのコミュニケーションは「人との会話とは思わない」と言っていることに等しい。そして、目の前の人と向き合うことの尊さ、というか、当たり前さ。当たり前のことを言ってるのかもしれないけど、大切なこと。

思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。