自分的にはこの大会のイチオシのカード。実の姉妹レスラーである天満のどかと愛野ユキというレスラーがいて、3月26日に引退する姉の天満のどかとずっとひっついて真似をしてきた妹がシングルマッチを戦うことになる。体の大きさであったり技のキレや重さであったりで東京女子の頂点に立つ力を持っていると感じさせる愛野ユキへの期待もあり、推しの一人だったりもするので一番楽しみな試合だった。
ビッグマッチのシングルで試合をする二人が一緒に入場してきたことがあったか?
基本的にプロレスはチーム毎に入場してくるか1人1人入場してくる。入場はプロレスの魅力の1つであり見所なのだけどこの試合の入場には驚かされた。大会の前から2人のタッグである爆れつシスターズの入場曲を歌っている「angela(アンジェラ)」さんが生歌を披露するということが告知されていて戦う二人なのにどうやって入場してくるのかと思っていたら、タッグマッチのように二人揃って出てきてステージの左右でアピールをしていた。
それぞれアピールをした上でシングルマッチのに入場してくるのかと思いきやタッグの試合に臨むように花道を2人揃って走っていつものタッグマッチのようにロープで気合を入れた愛野ユキが先に入場し、後から天満のどかが入ってきた。それぞれのシングルの入場曲でそれぞれ入場してくることもできたのに二人そろって入場してくるシーンだけでも生歌も相まってジーンときてしまう。
躊躇していたように見える妹を姉が吹き飛ばす
お姉ちゃんに対する憧れやすごさを実感しているからこそ戦うことに乗り気ではなかった妹である愛野ユキのコメントが試合前にもあった。試合に入って、気合が入っていることは見えているのだけど、どこか躊躇しているようにも見えた妹に対してここでしかできない戦い、ここが最後になってしまう戦いだからこそ弾けてぶつけていこうとする姉の想いを感じるような雰囲気が天満のどかの技からは感じられた。セカンドロープからのボディプレスからWARスペシャルに決めた流れは姉の強さを見せながらも妹を焚き付けているようにも見えるシーンだった。
エルボー合戦が始まり、序盤は優勢だった姉の天満に対して妹の愛野もスイッチが入って吹っ切れたのか重みを感じるエルボーをぶつけなぎ倒したと思いきや、天満もバックフリップで返すことで試合の熱が高まっていく。
試合後は姉妹として両国のリングを味わいつつ、最終章へ
必殺技であるUBV(ダブルアーム式変型サイドバスター)を決めた愛野ユキが3カウントを奪って姉妹対決に終止符を打った。妹が引退する姉を越えてお姉ちゃんがいない中でプロレスに向き合う第2章が始まることを予感させた。悔しがる姉に対して何とも言えない表情を見せる妹が印象的で、少しまったりとした空気が流れた先でぶつかり合ったりじゃれ合ったりするのも本当に仲がいいんだろうなーと思わせる姿でこれが爆れつシスターズの魅力だと感じさせた。無理に仲違いしたり、バチバチにならなくてもいい仲良しな2人のシングルマッチとしてこれでいいだろうと思わせるような試合だった。
YES! WONDERLAND 2022~夢の翼を広げ~ | DDTプロレスリング公式サイト
【気に入った写真たち】
小檜山 歩
最新記事 by 小檜山 歩 (全て見る)
- 内藤哲也はどこへ行く?新日本のリング上への影響は?~内藤哲也退団から妄想する~ - 2025-04-17
- もがいている。未来を潰したくない。海野コールをしよう。~4.5新日本両国で1番感じたこと~ - 2025-04-12
- 新日本後楽園のメインでやることに意味があったハードコアのIWGP Jrタイトルマッチ エル・デスペラード VS クラーク・コナーズ(2025年4月4日) - 2025-04-09