東京女子と同じサイバーグループに入っているガンプロの女子部門であるガンジョの対抗戦が第2試合に組まれた。直前の後楽園大会でまなせゆうながやってきて一番熱い試合を見せると宣言して自分一人ではなくて ガンジョの選手を連れてきた。
まなせゆうなというレスラーはどんな大会でも見ている人を惹きつける。体の大きさだけでなく、表情の豊かさやここから感じる生き様、そしてどこか儚さを感じるのは私だけだろうか。そんなまなせゆうなが率いたガンジョが東京女子との対抗戦にやってきた。
バチバチの対抗戦ではない中で誇りを見せる
団体対抗戦となるとおっかないというか、新日本プロレス対UWFからの流れで見ている人たちをゾクゾクさせるような潰し合いを想像することは多いし、実際に噛み合わないながらもヒヤヒヤさせるような攻防で見る者を魅了する戦いを想像することが多い。
ただ、今回は同じグループということも、東京女子のOGで特に大きな問題なく東京女子からガンジョで戦っているまなせゆうながやってくるということで潰し合いという雰囲気はない。それで物足りないという人もいるかもしれないが、ガンジョはまなせゆうながガンバレプロレスの旗を持って入場し、東京女子のメンバーも団体のカラーであるピンク色の T シャツを着て入場してきたのは、それぞれが自分達の団体を大切に戦おうという気持ちなのだと感じさせる。
バチバチではないかもしれないが、普段は別々の場所で戦っている人たちが交わることへの思いが確かに感じる入場からリング上だった。
まなせゆうなと角田奈穂の人の重み
この二人は年齢が少し上で 曲折ありながらも女子プロレスラーとしても戦い続けていることを感じさせる存在感があった。それぞれが東京女子とガンジョの対象角として出てきたこともあって自分の戦いを見せながら周りの選手たちの試合を作っていったように見える立ち振る舞いだった。
二人のマッチアップは試合の途中で生まれ、角田奈穂が重みのあるエルボーからタランチュラ式ヘッドシザース、ロープ越しでのスタナーを決めた上で顔面ウォッシュを決めていくまで流れは角田の女子プロレスラーとしての魅力がたっぷりのコンビネーションでこの試合の一つのハイライトになった。この技の流れは相対するまなせゆうなの受けの正確さあってのもので、いつも試合をしていない二人が噛み合っていることで、いつかこの2人のシングルマッチを見てみたいと思わせる時間だった。
桐生真弥の覚醒前夜を感じさせたまなせゆうなとのプロレス
東京女子プロレスに桐生真弥という選手がいる。2019年にデビューした選手で、東京女子の中では大きな体の部類に入るのだけど、どこかその体を持て余しているような雰囲気があった。そんな桐生が自分よりも大きいまなせゆうなとのマッチアップによって今までとは一つ殻を破ったのではないかと思えるような戦いを見せた。
最後にはまなせゆうなが「まひろ、最高だぁ!」と叫んだ上でのラリアットで敗れるものの、大きな体のマナセに対して重みのあるドロップキックから体をぶつけていく攻撃を見舞った上で河底撈魚(サイドバスター)を決めるまでの流れは桐生のパワーが大きい会場に映えていた。
破れたものの、桐生の魅力がにじみ出ていたとともに対角田奈穂も含めてガンジョのまなせゆうなのプロレスラーとしての力を感じさせた団体対抗戦だった。
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小檜山 歩
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