TikTokerであり、空手、看護、女優と幅広く活動をしている長野じゅりあが東京女子プロレスの両国国技館大会でデビューすることになった。パートナーは同じく空手のバックボーンがある宮本もかであり、対戦相手は弾ける若手タッグの鈴芽と遠藤有栖のありすず。
一度きりのデビュー戦が両国国技館。翌日の両国メインの竹下幸之介と同じ。
26歳という遅めのデビューであり、他のグラウンドでもすでに活動していることもあって注目される会場でデビューすることになった長野じゅりあ。両国国技館でデビュー戦をするのは珍しく、団体の期待の表れなんだろう。有名どころでいくと”破壊王”橋本真也の息子である橋本大地であったり、翌日のDDT両国国技館大会のメインイベントである竹下幸之介が両国国技館でデビューをしている。そんな逸材として期待されただけの戦いを長野じゅりあは魅せていった。
入場の時の度胸の据わった表情と選手コールの時に足を高々とキックで挙げた姿はすでにリングに馴染んでいてプロレスという競技がプロレスラーとして鍛えられたものだけでなく、その人が今まで培ってきたことの両方が反映される舞台であるということを改めて感じさせる。
これ以上抜かれたくないありすずの意地も明るく見せていく
東京女子プロレスという団体の特徴の一つとして明るくみんなでリングを盛り上げていくということが根底にあり、嫉妬や恨み、イライラを試合で見せることは稀だったりすることがある。稀だからこそ、負の感情が出てきた時に観客は驚かされて惹かれていく。長野じゅりあの相手をになったありすずのうちの鈴芽はデビューは先ながらもSKEからデビューした荒井優希にシングルマッチで破れてこの大会の上の試合で荒井がタイトルマッチを戦うことに間接的に貢献したことになった。
これ以上離されたくないという思いを怖さではなく、明るく戦うことで示していく爽やかな魅力を感じさせる戦いだった。この四人の中では最も先輩の鈴芽が長野の技を受け止めた上でスピード感のある技で返していくと、遠藤も得意技の鶴ヶ城から、新技の磐梯山(2段式ミサイルキック) を決めていく。長野じゅりあの戦いもありつつでそれを受け止めるありずすもプロレスラーとしての生き方になっていた。
長野じゅりあはこれからの期待をあげつつ、締めた鈴芽の存在感
長野じゅりあの空手の技のキレは荒井優希の大きい存在感と違った格闘技の鋭さがあり、荒井と同じように一気に東京女子の中心にあがっていく可能性を感じた攻めだった。受けは少なめのように感じたこともあって、これからどんな試合を見せていくのかが気になる存在になった。
そんな長野が注目されている中で鈴芽がリングアベルで宮本もかから3カウントを奪った。荒井優希とのシングルマッチでも鈴芽の先輩として試合を作っていく力を感じたのだけど、この試合も相手の強さを引き出した上で戦っていく力を鈴芽から感じさせた。デビュー戦の相手を上の世代の人が務めるのではなく、比較的キャリアの浅い鈴芽と遠藤有栖が受けることに意味があり、2人のプロレスラーとしての力量が上がっていることも感じさせた。
長野が一気にあがっていくことへの期待を感じるとともにありすずも2022年は1つの勝負ができる年になるかもしれないと感じさせる戦いだった。
YES! WONDERLAND 2022~夢の翼を広げ~ | DDTプロレスリング公式サイト
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小檜山 歩
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