自分とは少し遠い世界をつなげる空間 「他人の時間」・「東京都現代美術館」【美術館】

 

同じ場所、同じ時代に生きていても自分とは関わりを持たない人はたくさん存在する。生きていて関わりを持つ人よりも関わりを持たない人の方が多いだろうから、当たり前のこと。

自分たちと関係ないからといって何も考えないことはせず、関係ないだろう人について考える事の意味を問いかけてくる展示会。

2015-05-03 13.14.28

想像力を展開することの意味

出稼ぎ労働者が採ったベリーと同じ重さのガラクタの展示や先住民のオブジェが置かれた現代風の部屋の絵など遠く離れた人たちの活動を自らに惹きつけたり、交わるはずのないモノたちを交わらせたりする試みを見ることが出来る。

共有するメロディの力-国際呼び出し周波数-

印象に残った2つの展示のうちの1つがこちら。ヘッドホンに流れる明るいメロディには歌詞がついていない。このメロディは力の弱いもの、見えにくい人たちがまとまるために連帯することを目的に作られている。

楽譜の裏に書かれていた「国際呼び出し周波数のための行動指針」が印象的。曲の再解釈や歌詞をつけることが推奨されているので、Youtubeでボカロにカバーさせている作品もありました。

時は刻まれていく-鏡の回廊(ブルース・クエック)-

もう1つ、印象に残ったのがブルース・クエックの鏡の回廊。タイトル通りに鏡が全面にある空間ではなく、文字盤のない時計が壁一面にかけられている。

針は静かに動き、頂点に達した時にベルの音が鳴る。それぞれの時計で針が動くスピードは異なる。ある時計は早く、ある時計は遅い。

それぞれの時計はそれぞれの基準に基づいて動いている。レイプが発生するたびに一周する針もあればガンで人が死ぬたびに一周するものもある。

刻まれる時は自らとは遠い世界を基準としているが、時は目の前で刻まれる不思議さを感じることが出来る。

入り口で発行したバーコードを出口で読み取って出てくるものからも自らと遠くの出来事のつながりを感じることが出来る。

自分とは少し遠い世界をつなげる空間。

・お気に入り度

★★★★☆

他人の時間

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/timeofothers.html

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。