最近、会社の中で課長がいなくなり、チームリーダーと呼ばれる役職に置き換わるトレンドがある。呼び名を変えているだけにも見えるが、課長の役割として人の「長」として指示を出して何かをやらせるという役割からチームを作り上げて動かす役割に変わっていっていることの表れなのかもしれない。
しかし、現状の「チームリーダー」は「課長」によるマネジメントによって育てられてきた世代であり、自分が受けてきた形と同じようなマネジメントする人が多く、チームとして動かすことが出来ていなかったり、メンバーから反発されるリーダも多いだろう。自分自身もそんなチームリーダーになってしまったような気もしていて、どうすればチームをうまく作って動かすことができるのかを考えさせられる。
そんなときにチームに関する面白そうな本がないかということで探してる中で出会った一冊で、参考にできるポイントが多かった。
著者自身がシステム開発に携わってきたということもあり、自分のチーム作りに参考になる例が多かったのだけど、システム開発以外にもチームを任されたり、チーム内チームとして1人や2人のメンバーと一緒に仕事をすることに挑戦し始めた人が最初につまずくポイントの杖をして使える内容になっている。
ソフトウェア開発の問題と問題を引き起こすチームの特徴
「ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである」『ピープルウェア』(トム デマルコ;ティモシー リスター)
印象的なポイントの1つ目だった。確かに開発手段であったり、個々のスキル不足などが槍玉に上がることが多いのかもしれないけど、人間がソフトウェアを作り上げるからこそ、人間の関係性が課題の多くを生み出すというのは実感としても納得ができる。
負のスパイラルを生み出すチームの特徴として「一部のメンバーの過負荷」、「表面的なコミュニケーション」 と「限定的で決まりきった仕事」があげられており、確かにそうだなぁと思わせる。
目指すべきチームの形とチームを作るリーダーとはどんな人なのか
開発の問題を引き起こす負のスパイラルに陥らないために目指すべきチームの形として「常に新しい知識を吸収しつつ、 知識がチームに展開され続けるチーム」というものが挙げられる。
新しい知識を吸収することはもちろんのこと、その知識が展開され続けるチームというのはそんなに多くはないのかもしれない。多くはないからこそ、作り上げることができればプロジェクトが成功につながることが多くなるのだろう。そんなチームをリーダーとはどのような人なのかが次に挙げられる。
目標を示し、それを達成するための作戦を立て、そこに向かってメンバーを動かしていく人
文字で書くと簡単そうに見えるけど、高いハードルだと感じる。心構えとして留めておくのはもちろんだけど、目標を示すこと、作戦を立てること、それに向かって動かしていくことの3つは常に意識しないといけないことだなと。
チームメンバーとのコミュニケーションで使えるテクニック
何かを依頼するときの3つのやり取りの重要性やメンバーと一緒に考える際に4つの段階を踏まないといけないというのはたしかにと思いながらも現場でできていないことが多いことからも、実践が必要だと反省させられる。
初めてチームリーダーになった時だけでなく、新しくチームリーダーになった人にも勧めたり、チームについて復習したい時にも読むといい本かな。
【手に入れたきっかけ】
リーダーシップについて考える機会があったので
【オススメ度】
★★★★★
小檜山 歩
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