ポスト猪木である棚橋時代が1つの終わりを告げた大会だったのかもしれない。
正月の1.4東京ドーム大会以来のプロレス観戦は4.5「新日本プロレス INVASION ATTACK 2015」。
人気団体の地位は揺るがず、通常参戦メンバーだけで両国国技館を札止めに出来る団体はしばらくは新日本プロレスだけだろう。
アントニオ猪木の熱狂が終わり、下がりに下がった人気を取り戻した中心に居たのは間違いなく棚橋弘至というプロレスラー。棚橋を中心に中邑真輔や真壁刀義、後藤洋央紀の頑張りで新日本プロレスは復活した。
後楽園ホール大会のチケットはプレミアムチケットとなり、両国も完売。そんな中でも時代の流れは確かに来ていた。
新日本プロレスがポスト猪木の先のポスト棚橋のその先へ
大会自体は「近年の新日本らしい」安定した大会だった。先につながる物語は1つの大きなイベントが起こったり、物語の1つの区切りがあったり、新しい物語が始まったり。
ただ、カードを見た時、そして、観戦を終えた時に時代の変化を思ってしまった。メインイベントはAJスタイルズVS飯伏幸太、セミファイナルはバッドラック・ファレVSオカダ・カズチカ。ポスト猪木の棚橋時代のレスラーである棚橋、中邑、後藤、真壁、柴田の誰もいなかった。
これはチャレンジでもあり、変化のはじまりなのかもしれない。ここで1つ柱となるのはポスト棚橋を誰が引っ張っていくのか。
間違いなく、本命はオカダ・カズチカ。27歳の若さでビックマッチのメインを何度も務めている実力は本物。
でも、そのオーラに少し陰りがあった。
オカダ・カズチカが本当に引っ張れる?
セミファイナルのファレVSオカダは「オカダが勝ってAJに挑戦するんだろう」マッチで、絶対に勝つんだろうと思っていた。結果はそうだったんだけど、なんだかしっくりこなかった。
自分がオカダよりも柴田や棚橋のファンってこともある。それを差し引いても物足りなかった。なぜかわからない。
1つ1つの技のつながりが見えにくくなったのかもしれないし、1つ1つの技のキレが悪くなったような気がしなくもない。ファレがよすぎたのかもしれない。
確かにオーラが減った。
少し年上だけどキレも動きもバッチリだった飯伏の方が期待できるのかもしれない。いや、まだ見ぬ新世代がくるのかもしれない。
ファレや技と体の迫力が大きな可能性を見せているコーディ・ホールなどライバル外国人の準備はできている。ただ、棚橋時代はまだ終わらないし、次にオカダ時代がくるのかといえばまだ未確定だろう。
確かに中心に一番近い席にいるけどまだ決定じゃない。時代が変わりつつあることを意識させつつもまだ次の時代にはなっていない。
そんなことを感じさせた大会だった。
その他、印象に残ったのはファレの強さ、コーディ・ホールの可能性、六本木VICEの面白さでした!
小檜山 歩
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