『好きなようにしてください』を読んでからこの著者の考え方が自分にはそこそこあっているなあと思ってもう一つ選んでみようと買ってみたのが書評から経営と戦略と経営の本質を考えていくことを目的にまとめられたこちらの本。
著者の本の中で最も売れて有名な『ストーリーとしての競争戦略』はいつか読んでみたいと思うのだけど、とりあえずライトな本に手が伸びてしまうのは仕方ないのかもしれない。ライトとは言いつつも紹介される本はそこそこ癖のある本でもあり、平易な文章で書かれているけど、内容自体にはマネジメントに関する話が詰まっている。
様々なトピックについて本を紹介しながら触れられているのだけど、気になったのは「リーダーシップ」と「グローバル」に関する内容だったのでそれぞれ紹介させてもらう。
リーダーシップ
まずはリーダーシップに関する話で取り上げられている本は『Hot Paper ミラクルストーリー』 、『プロフェッショナル・マネージャー』、『成功はゴミ箱の中に』あたりだろうか。リーダーシップと小の中でこの3冊が紹介されているわけではなく、それぞれの 本が紹介されている中で共通のリーダーシップについて語られているように読ませてもらった。
最近、仕事の中でどんな形でメンバーなんとコミュニケーションをとっていくべきなのかということを改めて考えることが多い。各チームを取り仕切るリーダーの相談相手であったり指針を決める必要がある中でどうすればいいのかのヒントになりそうで、紹介されている本も読んでみたいと思ってきた。
リーダーとはストーリーを語る人であり、チームが何を実現し、世の中と会社と自分自身がどのように関連しているのかを語り、それぞれの役割をわかっていて、一人一人の仕事と人間的成長の中身を推進することによって価値が出てくるというのはハードルが高いと思いつつ、自分ができていないこととして自省しなければならないと思わせてくれた。
チーム全体の「動き」や「流れ」を構想し、「分業されているけれども、分断されていない状態」を作り出さないといけないというのは確かにと思う上に、具体と抽象を行き来する必要があるというのも仕事で言われることがある内容で意識し直さなければいけないポイントだった。
ただ単に聞かれたことに対して判断して壁打ちの相手になるだけでは不十分であるということを認識しなければいけない。勝手に自分の中でリーダーとしてこのくらいまでやればいいと思っていたことや、こうすればいいと思っていたことを覆してくれるような内容だった。
グローバル
もう一つの気になったポイントであるグローバルについては天正少年使節団に関する『クアトロ・ラガッツィ』が紹介されており、当時のイエズス会がどのように日本を見ておりグローバル化を進める上にあたってどのようなことを考慮しなければいけないのかということから今のグローバル化と繋がるところがあると指摘している。
今まで以上に情報が少なく、権力者との阿吽の呼吸が必要であり、最終的には豊臣秀吉のバテレン追放令によって失敗したイエズス会の戦略の失敗についても読んでみたいと思わせる。
【次の本】
他にも経営や仕事に関して考えられるような豚がいくつも紹介されていて時間を見つけて興味があるものから読んでみようと思わせるような書評と経営論の本でした。
【手に入れたきっかけ】
楠木建さんの本をもう1冊読んでみようということで。
【オススメ度】
★★★★★
小檜山 歩
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