高校生向け模擬国連の議題選びで大切な3つ(+1つ)のこと 【模擬国連】

 

高校生向けの模擬国連会議の議題選びで大切な3つ(+1つ)のことはこれ。

「1:対立軸がはっきりしていること」、「2:国ごとのリサーチがしやすいこと」、「3:教育的意味があること(高校生向けである場合には特に重要)」。

プラス1は「(運営する側が)問題に対して興味・関心を持っていること」。

141207_高校生向け模擬国連の議題選び

少し前に高校生向けの模擬国連会議を企画する必要がある人にどんな議題が良いのか相談されたことがあった。頭の中にぼんやりとはイメージはあったけど、具体的に言葉にまとめたことがなかったので、まとめてみた。

 

対立軸がはっきりしていること

議論をする際に大多数の国が同じ意見だと議論はそもそも盛り上がらない。なので、国ごとにスタンスが異なる議題である必要がある。そんな議題を探すのに役立つのが国連のサイト。

General Assembly – Quick Links

http://research.un.org/en/docs/ga/quick/regular/68

国連で議論されて成立した決議のリストが年度ごとにまとまっている。リンクは2013年度の決議がまとまっているサイトだけど、「Meeting Record/ Date/ Press Release/ Vote」の列の最後に記載されている「without a vote」や「124-11-41」と記されているのが決議に対する投票結果。

「without a vote」は「コンセンサス」と呼ばれるもので、参加国が反対をしなかった決議。「124-11-41」などは「賛成-反対-棄権」の投票結果を指している。なので、「without a vote」の会議よりは投票結果が割れている会議のほうが議論がわかりやすい。ただ、割れすぎていると議論のしようがない国が出てきてもおかしくないので、注意は必要。

 

国ごとのリサーチがしやすい

会議前の準備で参加者が困らないために大切なこと。議題によっては国ごとのスタンスを把握するのが難しいものもある。もちろん、どんな政策なのかを国際関係から想像するのも楽しいが、高校生向けの模擬国連が勉強の一環とするのであればリサーチの過程を重視する必要がある。

その時に国ごとの立ち位置がまとまっているサイトがある議題はおススメできる。大学生になって初めて模擬国連に取り組んで最初の会議の議題だった地雷問題は国別のデータが充実している議題の一つ。

ICBL(International Campaign to Ban Landmines)という国際的なNGOが地雷に関する国ごとの情報をまとめたサイトを公開している。

Country Profiles

http://www.the-monitor.org/index.php/cp/display/region_profiles/

関連する条約の批准状況から地雷に対する政策やアクションなど。多かれ少なかれ参加国の状況がわかるサイトがあるとリサーチもはかどり、議論も質の高いものになる。

 

“教育的意味”があること

”教育的意味”という言葉はいろんな意味に取ることが出来てしまうので、難しいけど、ただの票取りゲームになりやすい議題(安保理改革)よりも、社会的に考える価値のある問題(地雷、環境問題)を取り上げるのが好ましい。

 

(運営する側が)問題に対して興味・関心を持っていること

絶対に外してはいけない。運営する側がとりあげる問題にどれだけ関心を持っているのかが会議の熱量につながるので、運営側が興味のない問題を取り上げるべきでない。

 

こんな感じ。高校生向けに模擬国連会議を行う方はご参考までに。

The following two tabs change content below.

小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。