1か月前の大会なので、今さら感があるんだけど、あの場にいたことの幸運を忘れないためにも書かせていただく。
スターダムに続く2回目の女子プロレス観戦は長与千種率いるマーベラス。スターダムはプロレス業界で一人勝ちに近い状態にある新日本プロレスと同じようにブシロードに買収されて花月・葉月の離脱という血を流しながらも拡大へと進んでいこうとしている。女子プロレスはスターダム一強になりそうになる中でマーベラス・長与千種が仕掛けた。
武藤敬司を超える長与千種
スターダムを見に行った第1回の女子プロレス観戦に対して今回は長与千種を見に行った。母親が大好きでプロレスラーに本気でなりたいと思わせた選手が復帰するということだけでチケットを買って後楽園ホールへと向かった。
結果として2019年の生観戦ベストバウトが長与千種VS彩羽匠となった。試合の凄さでいれば大日本プロレスの両国大会での関本大介・ウォルターVS岡林裕二・火野裕士が生観戦した試合の中でのベストバウトだったが、プロレスの深みでは長与千種のカリスマ性が遥かに上回った。男子のプロレスもそこそこ生で見てきたが、比べ物にならない見るものを引きつける力が長与千種にはあった。見るものを引きつける所作では武藤敬司であっても勝てないかもしれない。
遅刻してしまって第3試合ぐらいから観戦になったが、彩羽匠へマーベラスを継ぐ試合がダントツだった。昔の名前の凄さだけでない凄みを見せつけた。現役さながらの熱唱しての入場で後楽園を一体にし、5対5のタッグマッチで観客を楽しませたうえで水をかぶってリングの中央であぐらで彩羽匠を待つ。
技の重みは天龍源一郎が若手をボコボコにする姿を彷彿とさせる。本当に試合をしてこなかったのかと思わせるほどの立ち振舞はなんで復帰しないのかと思わせる。エルボー、チョップ、受け身の全てで遠慮のない立ち振舞い。
マーベラスは彩羽匠に渡したうえで仕掛けることを宣言する。女子プロレスが男子プロレスを超える日がまた来るのかもしれない。それも、男子のショーアップされたプロレスではなく、昔ながらのドロドロバチバチもある真っ直ぐなプロレスで。
アントニオ猪木のプロレスは長与千種から彩羽匠に受け継がれていくのかもしれない。
【アルバム】
小檜山 歩
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