瞬間的な面白さがある！『金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿（１）』（船津紳平）

子どもの頃のお気に入りマンガが『金田一少年の事件簿』と『名探偵コナン』だった自分にとってはたまらない。

もう10年以上前に読んだストーリーのはずなのに事件の概要、犯人とトリックについてはなんとなく覚えている。だからこそ、入り込める。

そんな原体験がない人にとっては全然楽しくないかもしれない。

”謎を暴かれてしまった犯人たちの計画と実行の記録”と題してオリジナルストーリーを犯人の側から。真剣にやっているからこそ面白くなってしまうマンガ。

オペラ座の怪人、放課後の魔術師、レッドラムの三人の犯人たちが描かれる。金田一少年の事件簿らしい”!?”のアイコンや顔を包帯で巻いた犯人の”怪しさがすごい”件だったり、おどろおどろしく文字を書く練習をしていたりと多分、やっていたであろう人間ぽさに笑ってしまう。金曜日のダウンタウンでトリックを実際に実験してみた挑戦もネタにされる。

金田一少年に対しても孫ならギリギリいけるかと思う犯人の心情がいい感じ。絵がさとうふみやさんのオリジナルの絵に似せてるのもいいところなんでしょうな。