汚い世界のうつくしい人たちのお話集。自分が大人になったからかもしれないけど、社会が荒れてきているように感じでしまう今日この頃。
人ってもっと優しかったような気がするんだけど、社会全体がギスギスしてしまってきているような気がしてくる。
大人になる過程で人の汚い部分や寂しい部分に触れざるを得なくなって汚い部分ばっかり目につくようになっているのかもしれない。
朝の通勤電車や駅のホーム。無言で人を押し込み、無言で人を押し出す。一言言えばいいのに。満員電車でたまたま体がぶつかっただけて舌打ちするサラリーマン。人ってもっと優しいんじゃないのかと思う。寂しい。
そんな自分もギスギスしてしまっていたり、人を恨んでしまうこともあって、そんなトゲトゲしい自分に気付いた時にはギスギスしないように意識することにしている。
とはいっても優しくない自分がいることにも気付かされる。
優しいけど、なんだか、厳しさを感じざるを得ない大人向けの物語。
普通の人は持っていない力を持っている常野の人たち。常野は遠野物語を意識しているのだと思うのですが、別のお話。
普通の人たちは持っていない力を持つ優しい人たち。彼らが普通に暮らしていくには社会はトゲトゲしい。
気づかないうちに彼らを傷つけているのかもしれない。
他の人に寛容にならないことはいろんなものを失っていることと等しいのかもしれない。優しい物語が優しい心に語りかけてくれる一冊。
【引用】
ニッポンはミンシュシュギの国なの。ミンシュシュギということは、つまりぃ、他の人よりも余計なものは持ってちゃいけないってことなの。
「常野」というのも、常に在野であれという意味らしい。権力を持たず、群れず、地に溶け込んで、という主義
僕たちは、無理やり生まれさせられたのでもなければ、間違って生まれてきたのでもない。それは、光が当たっているということと同じように、やがては風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、そういうふうに、ずっとずっと前から決まっている決まりなのだ。
【手に入れたきっかけ】
確か、パートナーに進められて。確かですが。
小檜山 歩
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