中学生の頃、身の回りで起きてることを大袈裟に捉えて考えるような子どもだった。
理屈っぽいとか、マイペースとか、友達いないとか、妄想癖があるとか、自信過剰とか、いろんな言葉で表された。
でも、中学生レベルで知り得ることなんかさほど大きいことじゃなくて、だいたいは学校の世界の中で収まる事だった。世界は小さかった。
でも、急に世界が大きくなることがあるかもしれない。突如として、何か大きな世界が見えてしまうかもしれない。そんなお話。
中学生1年生の男の子と親友の物語。家にある男がやってきた所から物語は始まる。家庭の話が日本中に知られるスキャンダルとなる。ある男の遺産が突然母親の元へ転がり込んできた。そこから始まるお話。
中学生1年になる息子は親友の島崎君と謎解きをしていく。学校の中で収まっていた世界が大きくなる。
キーワードは家族とギャンブル。ギャンブルの対象として賭けの対象になったものは何か。最後の最後まで読み切って欲しい。
ミステリーだけど、なんか叙情的でもある。子どもが大人になる姿も垣間見える。
自分的宮部みゆきの作品では間違いなくベスト3に入る、もしかしたらベスト1かもしれない一作。
ある夏の大きくて小さくてやっぱり大きな物語。
【引用】
「忘れがちなことだけど」と、島崎は言った。「僕らの親にも青春はあったんだ」「そうなんだりうちの母さんにも19歳の春はあった」
子供はみんな、時代の子だよ
子供はすぐに大人になれるわけじゃない。煉瓦を積んで塔を建てるように、一日ごと、一時間ごとに積み上げられた経験が、喜びや悲しみが、子供を大人へと積み変えてゆく。
【手に入れたきっかけ】
家にあったので読んでみたらハマった!
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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