いつもの正月と違って家でのんびりする時間があったのでいろんなことを考えたりまとめたりする時間が多く取れた。年も明けてそろそろお仕事の事も少し考えようと思っている中でぼんやりと今年の人事ってどうなるんだろうと考えてみた。
大きく分けると多くの人達が一過性のものだと思っていたコロナウイルスによる影響が長引くことによって暫定対応ではなくて恒久的な対応も少しずつ考えないといけないと言う状態に置かれる「コロナに対する恒久対応」と人事はこう変わっていくべきというトピックがじわじわ大企業でも実行に移される「人事改革の大きな流れ」があるように思えている。
コロナに対する恒久対応
2020年は暫定対応に止まっていたコロナに対する対応が人事規定に反映されるような恒久的な対応に変わっていく。
手当・経費使い方再考
リモートワークの中で働いている従業員が多い会社はコロナによる出社削減に伴い、通勤費をまとめて定期分支払っていた制度を廃止し、都度の経費精算に切り替える会社が増えてきている。
在宅勤務に伴って交通費の実費支給を検討する際に考えるべき5つのこと
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/transportation-feeコロナ拡大後に在宅勤務を導入した企業の9.6%が通勤手当を廃止・実費精算へ | 労務ドットコム
https://roumu.com/archives/104740.html
コロナの中で多かれ少なかれ経営が苦しくなっている会社がいる中でまずは削れるところからという経費削減の中で多くの会社が実施した施策であり、これからの会社のルールになっている可能性も否定できない。
リモートワークを効率的に進めるために必要な物について自腹で買うべきという考え方も多い中でその費用をサポートするような会社も出てくるのかもしれない。自分の仕事の質を高めるために自分で投資すべきという考え方もあるけど、トレンドとしてはあるのかもしれない。
場所・時間に縛られない働き方が増えていくと、今までの給与体系を見直す必要が出てくるのかもしれない。同じ場所でまとまって働くことを是ではなくなっていく中で働いた時間に応じてお金をもらうというよりも成果に対して評価をつけていく流れが加速していくようにも思う。
従業員フォローの仕組みの再考
通勤手当の廃止などリモートワークを進めていくことで会社としての経費を削減することができる一方で従業員の仕事の質は可能な限り下げないようにする必要がある。各部署による取り組みはもちろんながら、人事制度としてサポートができる内容としては従業員をフォローするで全社統一の仕組みを作り上げていくことがある。
新入社員ほど「コロナで損する」日本企業の失態 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
https://toyokeizai.net/articles/-/378491コロナ禍、2020年の新入社員が抱える不安と企業ができる4つのフォロー
https://weworkjpn.com/contents/knowledge/case124/
入社した時からコロナによってリモートワーク中心となった新卒社員はこれまでと異なり、上位者と一緒に仕事をしたり、仕事についてお話をする機会が格段に減っている。自立して社内外で動けるような人はいいのかもしれないが、多くの人が上位者とのOJTなどによってどのように立ち振る舞うべきかを学ぶことになるがそれが例年よりも弱い現状がある。
新卒がいるチームは週に一度この日に出社すべしとしてその時に仕事の進め方から指導していくやり方から、先輩社員がフォローをしていくトレーナー制度をリモートワークの場合にどのように進めるべきなのかを再考して周知する、社内SNSなどを活用して社内での繋がりを見つけてもらうことやITの技術によって擬似オフィスのような環境を作ることなどがある。
新卒社員だけでなく、新しく役職者になった人や昇格した人も前任者の動きから学ぶことも多く、1つの手段でなんとかするよりも様々な施策を掛け合わせて従業員のレベルに合った必要な資源を手に入れることができる工夫ができるといい。
成果ベースまたはコロナを考慮する評価制度
コロナの状況に適用できる社員と適用できない社員がいることで出される成果物に差がつきやすくなっているように感じることが多い。
Withコロナのテレワークにおける人事評価で重視するポイントは? パフォーマンス向上のために必要な施策を探る|人事のプロを支援するHRプロ
https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=1429Withコロナ Afterコロナにおける目標設定・人事評価のあり方は? | コラム | コンサルティング | 公益財団法人日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/consulting/report/detail/with_after.html
成果ベースの評価は言うは易く行うは難しなのだが、仕事の過程を見ることが相対的に少なくなってしまっている以上、成果物として出されたものによって評価を付けることになる。
今まで以上に過程よりも成果を重視するような傾向が強くなっていくのかもしれない。それでいいのだという人もいれば、何かしらの工夫が必要と考える人もいるだろう。リモートワークが中心となった場合の評価における注意事項を考えてみるのも一つかもしれない。
人事改革の大きな流れ
コロナによって大きく変わっていくこともあれば変わらないこともある。コロナによって舵を切りやすくなったのか「人事改革の大きな流れ」としてあるべき姿として語られてきた人事の改革が進んでいくのではないかと思うことがいくつかある。
定期昇給の廃止
最も大きなものが「定期昇給の廃止」である。
一律定昇廃止でトヨタは若手技術者に夢を見せられるか | 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01268/00016/年功序列型の評価や報酬制度は廃止へ…ブリヂストン、シンプルかつリーンな体制・組織に | レスポンス(Response.jp)
https://response.jp/article/2020/11/15/340351.html
トヨタとブリヂストンという日本に古くからあり、世界の中でも業界では一二を争う大企業が年功序列の評価廃止することで定期昇給を廃止する流れが生まれている。能力が上がっていない人であっても評価においては年齢・年次を重視して評価をすることによって毎年一定程度の給与が上がることを保証してきた日本的な人事制度が廃止されようとしている。
どの程度ドラスティックなものなのかはわからないが、暫定的な措置を受けながらもじわじわと進んでくように見える。能力が上がっていなかったとしても年を重ねるごとに給与を上げることは従業員の会社への帰属意識を高めるためには必要な制度ではあるが、ここに来て大企業でも年功序列が廃止されていくきっかけになっていくような気がしている。
ジョブ型雇用の浸透
年功序列・定期昇給の廃止と並んで進められていきそうな施策がジョブ型雇用の推進であり、メンバーシップ型と呼ばれ、会社のやり方を分かった上で様々な部署でジェネラリストとして働いていく形から、職務の内容に応じて雇用をしていくことにより実際の授業の内容に合わせた給与や処遇がされるようになる。
ジョブ型雇用によりマネジメント層を一律育てるところからチームの構成に従ってマネジメントをする従業員とスペシャリストとして良い木に強みを持つ従業員に分かれていくことが想定される。どのような形でスペシャリストを育てていくのかということは今までやってこなかったことであるがゆえに考えないといけないポイントである。
ジョブ型雇用とは?誤解されやすいポイントと日本企業が導入する際に考えるべきこと
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/jobtype日本流のジョブ型雇用模索 解雇規制巡る議論浮上も
コロナが変える働き方
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6130653008072020EA2000
人事の脱コストセンター・ビジネス/従業員寄り添いへのシフト
最後のトピックは前の二つのように各社が取り組んでいる試みというよりもこうなっていかなければならないという流れがあるという意味合いのほうが強い。
年功序列の廃止やジョブ型雇用については大企業か外部に発信するぐらい取り組もうとしている内容であることに対して、人事自身が変わっていかなければいけないということはずっと言われていることではあるし、HRBP(HRビジネスパートナー)という試みが何年も前からなされているように必要なことである認識は広い。
ただ、それが実行に移されているかというと大きくは否だろう。
「総務・人事はコストセンターじゃない。バリューアップセンターだ」社員が最大限に力を発揮できる組織づくりへの挑戦 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE
https://hrnote.jp/contents/b-contents-3576/守りの人事から攻めの人事の時代へ!HRビジネスパートナー(HRBP)とは
https://careerlab.tenshoku.mynavi.jp/management/column-9149/
人事畑で育ってきた従業員がビジネス感覚であったり社員の満足度を考えて仕事をするということは方針としては頷けるものだが何をしなければいけないのかということは業界・企業・部署によって異なるため試行錯誤が必要であり実際にうまくいっている会社のケースを聞くことが少ない。
従業員に寄り添うために従業員の満足度を調査したり、フィードバックの仕組みを改善していくことは現場の努力だけではなくてITなどによる仕組みづくりによってできる部分もあり、仕事としてやってみたいことである。
自分自身が人事とビジネスを紐付けた仕事をしていきたいと思っていることもあってHRビジネスパートナー(HRBP)がどうあるべきなのかは自分で取り組みながら考えてみたいこと。
最後に
正月休みにボーッと考えた内容なので何かしらの根拠をもってというよりも、このところ人事の記事だったり仕事の中でこんな感じなのかなあと考えてきたことの側面が多いけど、常に取り組んでいる人事・給与領域の基盤構築以外にもいろんなことができる年になるんじゃないかなぁとぼんやり考えさせてもらった正月でした。
仕事初めということで、今年もよろしくお願いします!
小檜山 歩
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