日本語学校で外国人が交わる。そこには大人の中学校のようなストーリーがある。
「中国嫁日記」という2冊も書籍化された有名な(?)ウェブ漫画があります。そんなマンガの最新作。でも、スピンオフ的な作品。
20代の中国人の女性と結婚した40代のオタクな男性。男はフィギュア関連で働いたりしているけど、妻は家でサンシャイン牧場な毎日。そんなある日、西日暮里にある日本語学校に「行く」と決めた妻。その日本語学校でのエピソードとそこで学ぶ日本語という言語について、中国嫁の視点で話が進んでいく。
日本語学校は中国・韓国・モンゴルの生徒が中心で、ほとんどが日本の大学を受けるために来ているレベルの高い学校。10代がほとんど。そんな中で日本の文化や日本語学校独特のお話が描かれます。日本語学校での3.11。そして、その後についても。
日本語学校は日本語を学ぶという目的で集まる大学のような所なのかもしれない。自分の学生時代に重ねて懐かしさもある。
小ネタとしては、韓国人が韓国で全く有名じゃないペ・ヨンジュンをなんで日本で大人気なのかと不思議に思い、韓流ブームについて芸能やファッションでは日本の方がずっと進んでいるイメージがあるのに「え!?いいの!!?」という気持ちになるとのこと。
中国嫁が日本語の難しさを実例とともに語っていくパートでは、筑波大学の矢沢教授を招いて解説をしていく。「ニホン」と「ニッポン」の問題や、なんで「紅白」なのかなど、日本人でも知らない日本語の奥深さを学べる。
この本のラストは3.11を受けて日本語学校はどうなったのか。改めて日本という国は日本人だけのものではないということを感じさせる。ジーンとした内容でした。
「中国嫁日記」のファンだけじゃなく、日本で勉強したい外国人はどんな人が多いのか、日本語学校とはどんな場所なのかを学んでみたい人、日本語についてもう少し知りたい人にもオススメの1冊。
【引用集】
「日本語学校で結びついて、友だちになれる」(178)
小檜山 歩
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