【概要と感想】
いくら、お遍路さんをしたことのある人の体験談を読んだとしても、お遍路さんをした人のドキュメンタリーを見たとしても
実際に行った人とそうでない人の間には大きな差がある。
以前、どこかの国の政治家もしてたっけな。
そして、実際にお遍路を体験した人のマンガを読んでもお遍路さんについて語ることは出来ない。
だって、やっていないから。そして、お遍路さんのマンガを読んでもやってみたいとは正直、思わないです。
それだけ、辛そうな内容がたっぷり。
遍路とは「弘法も筆の誤り」で有名な空海が修行のために巡った四国八十八ヶ所の寺を巡る修行で、
それを果たすと願いが叶うとされているもの。
いろんな人がいろんな想いを胸に、今でも行っている。
1回ぐらいはテレビや本などで触れられているのを見たことがあるだろう。
このマンガは売れない漫画家(筆者がモデルではないとのこと)と
仕事をやめて、1年間家でなんにもしていない女性が
それぞれお遍路を行った話を中心に細かく描く。
遍路の道のりはどんな風に感じるのか。助けてくれる人はいるのか。
逆に気をつけないといけない人はいるのかなど。遍路についての情報を仕入れるためにも良書。
ただ、それ以上に目を引くのはリアルな自分との葛藤。
基本的に一人で歩いて行う遍路は何かを心に抱えている人が行っていることがほとんどとのこと。
一人で歩いている間、否が応でも自分と向き合わされる。この自分と向き合っている間の細かな描写がえぐすぎて秀逸なのだ。
漫画家として成功していないけど、いつか成功したい気持ちと、成功できないかもしれないと思う不安な気持ちが襲ってくる。
ただ、そんな自分と向き合うことで何かが見えてくるのかもしれないと期待をもたせた上で次へ続く。
自分探しをバカにする人がいたら、この漫画に出てくるこんなセリフをぶつけるといい。
「まあ、そう言わずにいっぺんやってみろって。そんなてめぇに都合の良い自分ばっかり見つかるわけじゃないから。」
その人は自分が見たい自分しか見ていないのかもしれないから。
【引用】
まあ、そう言わずにいっぺんやってみろって。そんなてめぇに都合の良い自分ばっかり見つかるわけじゃないから。
君はどんな人生を送ったとしても必ず後悔する!(92)
世の中には夢をかなえる人間よりも夢や目標を諦めた人間の方が圧倒的に多い。(94)
なんで独り、こんな所を歩いているんだ(102)
【入手きっかけ】
Kindleのセールで購入!
【本へのリンク】
小檜山 歩
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