戦略人事に興味がある若手は多い。他の会計や物流と同じように経営から戦略を落とし込んで業務があることには変わりないんだけど、人事コンサルを希望する人には戦略に興味がある人が多いように思う。
どの領域も戦略と業務、デジタルのそれぞれで考えることや必要な力は被っているものもあれば異なっているものもある。そんな中で考えるときのフレームワークの引き出しが多いことはどの領域でも必要なことだったりする。
この本は人事の戦略や制度を考える上で参考になるフレームワークを多く提示してくれるということで戦略人事を仕事にしたい人にとって一読しておくべき。人事制度ど真ん中なので使いこなすにはトライアンドエラーが必要だし、業務を改善するには他のツールが必要だったりするのでそれは注意した方がよいけどね。
ここで人事戦略といっているのは「経営方針や課題からあるべき事業の形を考えたときに人の面であるべき働き方や人材を考えでそれを実現できる人事」のことを指している。
この本によると「従業員の統制に全力を注いできた人事」の形を「事業に貢献する人事」に広げないといけないとされたのが1980年台後半で、そんな戦略人事のための教科書になる。
バリュープロポーションと呼ばれる企業価値を作り出す要素から人事を考える大きな話や人材を定義するKSAの話もあればOJTの種類や仕組みの話まで幅広い。人事の戦略をやりたい人は必読で、読んだ上で使えるようにしておく必要があるんでないかな。
【紹介されていたフレームワーク・適用例】
自組織の HRM フレームワークシート
HRM フレームワークの内容
HRMアセスメントシート
バリュー・プロボジション(顧客提供価値)
期待人材を表すKSAモデル
HRMの課題抽出シート・フォーマット
HRM課題の例
能力開発の方法
OJTの種類
OJTの仕組み
経験学習のサイクル
HRMにおける集権と分権
集権と分権による得失
領域別管理項目
【手に入れたきっかけ】
人事について勉強しないとなぁということで。
【オススメ度】
★★★★★
小檜山 歩
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