今までの細田守作品とはガラッと変わった世界観を感じさせた。最近、映画を見ていなかったけど、最近の作品はずっと劇場で見てきた細田守監督ということでパートナーと行ってみた。
今までの作品とは違った雰囲気
これまでは現実の中のファンタジーだったり、ファンタジーの世界が中心だったり、、現実世界の中に1つ変わった仕掛けを取り込んでみたりと現実の人間関係の延長線上にあるファンタジーを描いてきたように感じていた。
今回は「サマーウォーズ」で描いた仮想現実が拡大し、現実世界よりも仮想現実が大きくなった世界であることからも今の自分達と地続きであることを今まで以上に感じさせられた作品だった。なんというかファンタジーの世界に飛ばしてそこで楽しませてもらうのではなく、今の自分がいる世界を強く意識させられたところに今までにはなかった要素を感じたのかもしれない。
ここまでオマージュが強調されるのも珍しい?
そこまで細田守さんの作品を深堀りして見てこなかったのだけど、今回はある名作アニメをオマージュしていることが過剰とも思えるほどに伝わってきた。見ている人の半分以上が触れているであろう、人によっては思い出に残っている作品を軽くではなく、深く差し込むことで見ている人それぞれに過去の自分を思い出させる時間を作っていたのかもしれない。
余白を持たせてくれているのがいい
物語自体は1つの終わりを迎えるのだけど、とある時間のとある場所の物語であり、登場人物のこれからという余白を残している。これだけであれば他の映画も同じような余白は用意されているものなのかもしれないけど、物語のキーとなる存在についても余白を残しておいて見終わった後にあれはどう考えればいいのかを話せる余白をいくつも用意してくれているのが面白い。
これまでの細田守さんの作品と同様にキャラクターの魅力とそれぞれに関する丁寧な描写がたまらない中で映像の美しさと曲に深入りする新しい挑戦をしている映画として楽しめました。
「竜とそばかすの姫」公式サイト
小檜山 歩
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