自分の大変な困難を経てマインがその世界でまた輝き出す『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」』(香月美夜)

トラブルに巻き込まれて眠っていた時間があったのだけどなんとか物語の世界に帰ってきたマインが2年目の貴族院の舞台へと戻っていく。1年生であるにも関わらず貴族院ではいろんなことを巻き起こしたこともあって2年目はこれまでの人間関係を思い出しつつ、新しいそこそこクセのありそうなキャラも出てきてどうなるのかというワクワクが生まれていく。

物語の序盤から出てきている隣国ながら関係性が微妙な国から2人のお嫁さんがやってくるということでバタバタしてトラブルのようなこともあったりなかったり、染物のコンペを開いたと思ったらグーテンベルクのような凝った名前ではなくて、ルネッサンスという微妙なワードセンスになったり、相変わらず色んな事を巻き起こす。

貴族としてどのように立ち振る舞うのかの自分の指針が決まってきたマインは市民を守りつつも貴族としてのバランスを取っていくという他の貴族ではあまり考えないようなスタンスをとっていてこの考え方が未来に生きてきそうな雰囲気がある。「名を捧げる」という重みのある言葉が出てきてこのこともなにか物語のキーになって行きそうで世界観がさらに大きくなっていて時間はかかるかもしれないけどやっぱり最後まで読みたい物語。

【オススメ度】

★★★☆☆