どことなく日本がおかしな方向に進み出していた予兆を捉えているような凄さを感じさせるマンガ。作家だった頃の猪瀬直樹の凄さとどんな物語でも読む人を一定の力で引き寄せる弘兼憲史の凄さがつまっている。
猪瀬直樹と弘兼憲史が予言的に社会を切っていた
このマンガが始まった1991年には起こってもいないオウム真理教事件を彷彿とさせるような内容が出てくることに驚く。
ある民放局で1日の放送終了の最後の10分間に1つのニュースだけを放送する「ラストニュース」という番組の内幕を描く。
権力側の発表をそのまま放送しない、口当たりのいい物語にまとめようとしない、記者クラブに依存しないなどの姿勢はずっとマスメディアに対して言われているのにマスメディアが実践できていないこと。
大きなメディアが横並びで報じたニュースの裏側を探っていく調査報道の矛先は新興宗教、収賄事件から街の正当防衛らしきいい話まで幅広い。
そこにはメディアが報じるニュース全体への危機感が感じられる。2015年の今、メディアが悪化して現実となり、現実を誰も気にしないようになってしまったようで不安になる。
【手に入れたきっかけ】
Kindleの弘兼憲史マンガの無料お試しキャンペーン!
【オススメ度】
★★★★★
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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