“会社で従順に働くことが未来をつくる”という思い込みに、支配されているのだ。
いよいよ僕たちは「仕事の終わり(エンド・オブ・ジョブ)に到達したのだ。親の世代に暗黙の了解とされてきた”長期の安定した雇用”は、もはや共同幻想になりつつある。
28才でキャリア2社目の会社でコンサルタントとして働いている自分は上の世代の人よりも会社で従順に働く意欲は低いし、会社と一蓮托生だとも思っていない。
今のコンサルタントとしての仕事に不満があるわけじゃないけど…
コンサルティングという形を変えて仕事をしていける職場だからこそ、いろんなことにチャレンジできるし、のんびりゆっくり働くことを望んで他の会社に行こうとは今のところ思っていない。
でも、今の会社で50才、60才、70才(私が70才になる40年後には70才定年制が当たり前になってるような気がします)まで働くイメージはまだ持てない。あり得るかもしれないけど、少なくとも今、やっている仕事をそのままやっていることはないでしょう。
このまま稼いでいけるわけはないとぼんやりと思う中で…
じゃあ、なにをするのか。急激なスピードで変わっていく現実の中でどうすればいいのか。なんの勉強をすれば食いっぱぐれないのか、お金を稼ぐことができるのか。そんなことを考えるんだけど、自分の中で答えは出ない。コンサルタントとして目の前に提示されることをこなしてスキルをつけていこうとは思えている。
それだけじゃ足りないかもしれないという漠然とした不安に対して「起業しなさい」と伝えてくる。特段、これがやりたい!というものがない自分は昔、一緒に働いていたベンチャー企業の同僚や友人たちのように会社を作ってビジネスを始めようとは思えない。
でも、なにかやりたいことがあるわけでもない自分であっても起業すべきなんだろうとこの本を読んでいると感じる。それはたくさん稼ぐためじゃなくて最低限の収入を得るために。
起業するのは今の世界の現状からは当然だと言わんばかりに説明して、どんな形の起業がいいのかを提示する。昔のように起業するためにはまとまった資金が必要で、リスクが高い時代は終わった。そんなことにも触れられる。紹介されていた段階的起業はやっていこうと思うのです。
自己啓発とビジネス書の間…?
なんだか『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだときのような気持ちでもある(著者のおすすめ本の1つに入ってました)んだけど、このまま残り何十年もただ会社員をしている働き方が正しいとは思えない自分もいるので、どうしようかと考えようと思います。
おまけについている90日計画書の前フリのこんな話は確かに!と同意する。
世界はとてつもなく複雑な場所だ。常にあらゆるものが変化している。将来的になにが起こるのかを予測することは不可能だ。だから、キャリアは計画できない。計画しても、その通りにいかなくて不満が溜まるだけだ。それに、計画に気をとられて、目の前にある本当に重要なチャンスを見逃してしまう。
(中略)キャリアプランニングの2番目に重要なルールは、キャリアを計画するのではなく、スキルを磨き、目の前のチャンスをつかむことに全力を尽くすことが
しばらくは今の会社でもできるんじゃないかなぁとぼんやり考える。10年以上先の計画を立てなさいと言われることもあって無理だろ!と思っていた自分の考え方に対してそれでいいか!と思えたのはよかったかな。
【特に気になった内容をまとめてみる】
『ゼロ・トゥ・ワン』のピーター・ティールが投資候補先の起業との面談で聞く3つの質問がこちら。
「あなたの成功のカギを握る秘密は?」
「賛成してくれる人がほとんどいない、あなたにとっての大切な真実とは?」
「他人とは意見が違っても、自分では正しいと思っていることは?」
ビジネス書の著者であるセス・ゴーディンの”起業家”と”起業家的な働き方”の定義
起業家:混沌とした状況の中に飛び込み、秩序をもたらせる人。新しいアイデアを生み出し、人や物事を結びつけ、事を起こせる人
起業家的な働き方:ビジネスや人、アイデア、プロセスからなるシステムを、結びつけ、想像し、発明すること
ロングテールがもたらした3つの”追い風”
1)生産手段の民主化:製造コストの低下(商品が増え、テールが伸びる)
2)流通手段の民主化:誰もがマスメディアに(ニッチ商品の購買が増え、テールが太る)
3)需要と供給の一致:人からニッチへビジネスが移行する
【次の本】
『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット)
巻末でいくつか紹介されていたんだけど、この本は手元にあってまだ読めていないので時間を作って読もうかと。コンサルタントのお師匠さんにも勧められたことあるし。
【手に入れたきっかけ】
「本が好き!」というWEBサービスの献本サービス!
【オススメ度】
★★★★☆
小檜山 歩
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