Google検索であらかた事足りてしまう今の冒険物語 『ペナンブラ氏の24時間書店』(ロビン・スローン)【本】

 

月旅行が現実になりつつあり、Google検索であらかた事足りてしまう今の冒険物語はこんな感じなのかもしれない。

与えられた問題はこう。世界のどこかにある持ち出し禁止の本の中に永遠に生きる方法が暗号の形で隠されている。本を目にする事が出来る人は世界各地にある本屋の中に隠された課題を解いた人だけ。

失業中でひょんなことから世界各地にある暗号が隠された本屋のうちの1つでアルバイトをすることとなったクレイが本作の主人公。不思議な本屋に興味を持ち、失業する前に生業としていたデザイナーとしてのスキルを生かして問いに向き合い始める。

船で旅するでもなく、タイムマシンで過去に戻るわけでもなく、現代のまさに「イマ」の物語。解決のヒントを知るためにネットで調べてもヒントになりそうな情報は全く出てこない。

そればかりか、バイト先にある本を検索しても見当たらない。でも、目の前にGoogleで検索しても出てこない本はあり、謎が転がっている。

バストを世界一キレイに再現できるソフトウェア会社のCEOである友人や、Google社員である彼女と共に冒険に出かける。アメリカ国内を動くだけの物語だけど、Google内での調査、必要な器具はDIYで作り、作り方はネットに残っている。足りない材料についてもネット上でお願いをして貸してくれる人を探す。現実世界では知られていないが、ネット上で有名な人に貸してもらう。少し前の時代だったらあり得ない物語。

インターネットが当たり前になった今、冒険するなら新しい世界を作り上げるか、過去か未来に行くしかないでしょう。でも、まさに今、この世界にも解かれることを待つ謎はあって、解くための道具も揃っている。自分も身近なところから冒険をしてみようかとワクワクさせる物語。

【手に入れたきっかけ】

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。