時間ってなに? 『時間衝突』(バリントン・J・ベイリー)【本】

 

時間ってなに?

この問いに答えるとしたら、「目に見えないけど当たり前のようにあるもので24時間などの基準で表されているもの」ぐらいの感じでしょうか。「世界のそれぞれの場所で差はあっても全ての人に等しく流れていてその流れのうえに自分はいる」とも言えますかね。

既存の考え方に今までと違った解釈をしてその解釈のうえで物語を紡ぐのがSFだと勝手に思っていて、『時間衝突』というSF作品は全ての人が意識はしているけど、実体をつかむことができない「時間」を主なテーマに据えている。

面白かったし、一気に読めました!

1つの民族が高い地位を築き、その民族の血が純粋でない人たちは迫害され、隔離されている社会が地球に作られている前提から物語は進む。

その中に住んでいる考古学者のロンド・へシュケがこの物語の主人公。調査をしている遺跡の数百年前の写真を偶然手に入れて見てみると今、自分が調査している遺跡よりも古くなっていた。

今よりも前の写真なんだから今、自分が見ている遺跡よりは新しいはずなのに。

そんな不思議なことがあると報告したところ、とある任務を任命されることになった。そこから始まる時間をテーマにしたSF物語。

物語の中には地球とは別に生産者と消費者がはっきりと2つにわかれてそれぞれの人が今の社会に満足している不思議な社会にも行くことになり、その星が遠く離れた地球で起こると予想される時間にまつわる大きな事態に大きく関わることになる。

タイトルの『時間衝突』から少しは予想はできるかもしれないけど、時間に関する新しい見方が物語に編み込まれていて夢中になって読ませてもらいました。SFにそんなに詳しくない私でもそこそこすんなり読めたかな。

この作者の物語は初めてだったので有名な作品らしい『カエアンの聖衣』も読んでみようと思います。たまに読むSFはやっぱりいいカンジです。あとがきで薦められていたクリス・ボイスの「キャッチワールド」も気になってます。



【手に入れたきっかけ】

「本が好き!」というWEBサービスの献本キャンペーン!

【オススメ度】

★★★★★

 

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。