両国国技館大会で山下実優を破り、東京女子プロレスの頂点に立った中島翔子の2回目の防衛戦の相手が享楽共鳴でタッグを組んでいるハイパーミサヲ。ここでひっくり返して東京女子がハチャメチャのいろんなことが起こる団体になる期待はありつつも、さいたまスーパーアリーナに向けて中島翔子で突き進むのかの分かれ道のタイトルマッチとなった。
いつも通りのマイクアピールからハイパミワールドを見せていく
どんな大会でもボディーチェックの後に「マイクくださ~い」と言ってマイクを受け取り「会場にお集まりの、大きいちびっこたち、こんにちわー!」から始まるマイクアピールで試合を盛り上げていくのだけどこれを後楽園ホールのメインイベントのタイトルマッチでも貫くハイパーミサヲはいいなぁと思いつつ、正々堂々と戦うと言って持ってきたスプレーを全て出して試合が始まったかと思いきや、丸め込みから最後の一本のスプレーで攻撃を仕掛けていくうまさを見せていった。
もう1つのハイパーミサヲの武器は東京女子イチの腕攻め
足攻めは辰巳リカのドラゴン殺法が東京女子では光るのだけど、ハイパーミサヲがここまで腕攻めがうまいのかと驚かされた。一点集中攻撃はプロレスのうまさと経験が必要で技の幅とタイミングを工夫しないと見ている人に飽きが来てしまうのだけど、アームブリーカーから脇固めというオーソドックスな関節技だけでなく、場外での踏みつけやチキンウイングフェイスロックとじわじわと攻めていった。
東京女子プロレス使い手の居ない逆腕ひしぎ十字固めをフィニッシュホールドにすると更に一歩先に進むのかもと思いつつも、DDTも含めて総合格闘技の代表的な関節技である腕ひしぎをレスラーに使わせないのはなにか意味があるのかもとも感じる。でも、とっておきの奥の手としてハイパーミサヲが出したら今回の試合もわからなかったのではと思うような雰囲気だった。
盤石で防衛した中島翔子はチャンピオンとして風格が漂ってきた
ハイパーミサヲのうまさもありつつもフィニッシュホールドとして説得力がドンドン増してきているトップロープからのダイビングセントーンで今回も防衛をした中島翔子。連続トペを出さなかったのは精度を再び上げている途中なのかもしれないと思いながらも使っている技の説得力は相変わらずで試合の安定感も上がってきている。とんでもない試合も大事なのだけど、着実に興行を締める戦いを見せられる王者だと強く感じる戦いだった。締めの誠実で真っ直ぐなマイクアピールもたまらんので、さいたまスーパーアリーナが更に楽しみになったタイトルマッチだった。
YES! WONDERLAND 2022~夢の翼を広げ~ | DDTプロレスリング公式サイト
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小檜山 歩
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