極限までの純化によって21世紀の人の処方箋になった・「けいおん!」にハマった。そして、多くのひとがハマる理由②

「けいおん!」が流行る理由。それを、音楽の質の高さと純化とした。その純化について。
この極限までの純化がなければ、「けいおん!」は小学校~高校の男子と一部のオタク層が好きなアニメで終わっていただろう。その中で、オリコン1位、2位をシングルで取るようなアニメになったのは、曲の完成度と共に、純化によって、アニメへ人をひきつけることが要因としてあった。
「けいおん!」は原作もアニメも廃部寸前の軽音部で部員がゼロ(先輩が全員卒業)の中、4人の高1が集まり、軽音部再開、次の年に一人の新入生が入り、最初の4人が高3で卒業するまでが描かれている。その中では敵は出てこないし、潰し合いもない。部室を争っての戦いもない。厳しい練習もせず、お茶だけしかしてないのにハイ・クオリティな演奏。ただ、3年間が流れていくだけ。学園祭があり、修学旅行があり、新歓があり、マラソン大会があり、夏休みの合宿、クリスマスパーティー、初詣、そして、卒業式。それを女子高生だけで描く。
そこにはいじめもないし、恋愛も出てこない。とにかくありえないけど、あったような理想の高校生活という上辺だけを集めて作られたのが「けいおん!」というアニメである。
女子高上がりの子から話を聞いたことのある自分は、上履きに落書きとか、黒板消しで机をパタパタとか、上から画鋲が降ってきた。という話も聞いたことがある。それは、共学よりもたちが悪そう。でも「けいおん!」の世界にはそんな描写はあってはならない。それは理想だけを集めているから。そして、描き出すと問題が生まれたりする恋愛についても描かれない。
レズっぽい描写やなんとなくの下ネタはいくつかあるけど、それは浄化された状態なのである。ほとんど男性が出てこない傾向は原作よりもアニメでは強化され、出てきた中で記憶にあるのは、登場人物の中の一人の弟で中学2年生ぐらいの男の子だけ。大人はほぼゼロ。声があっても顔が全く映らないパターンがいくつかあるだけ。この中で、理想化された女子高を覗いていると共に、女子高ってこんなんなんだ。いいなぁ。と思えてなごめるアニメだからこそここまで広がったんだと思う。
そんなにすぐに楽器は上達するのか?などの疑問もあるけど。とにかく、純粋できれいな「けいおん!」の世界にそぐわないものは一切排除される。競争、いじめなど、これを見ると本当に現実逃避が出来る。だからこそ、今を見つめたくない、2010~11年の人々の心に入っていった。これは高度経済成長期には絶対に流行らなかった。「けいおん!」は疲れきった21世紀の人を現実逃避させてくれる処方箋。だけど、何にも解決してくれないアニメ。一時の癒しが欲しい人にはオススメ。でも、見過ぎると、現実から本当に逃げたくなるからご注意。
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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。