【ポイント】
1、よく分からないけど、ある程度の力はあるのかも。
2,無理して分かったズラをする必要はない
3,日本文学の歴史に残っている1冊。 とりあえず、読んでも悪くはない。
人間の本性。外に出すと避難を浴びる類のものをえげつないぐらい描き出しているんだなぁ。この本の題名を知らない大人は常識がない、とか言われそうだ。そのくらい有名な1冊ですよね。正直、ここまで語られている本だと、内容について突き詰めて説明していこうとは思わない…逃げだけど。
「だざい、だざい」と呼ばれ、昭和27年の発行から月日を重ねて平成12年の段階では、142刷にまで届いている日本文学の古典としての1冊。でも、内容は“内容禁止用語”も出てくるし、SEXとか今でいうニートとか、生きているんだか、死んでるんだか分からない主人公を中心に話は動いていきます。
名作として評価をされていなかったら…と考えると、文学って不思議だなぁ、と思うし、太宰治はこの1冊がここまで評価されて、多くの人にすごい!と言われるのを望んでいたのかなぁ。
「人間」として「失格」と思われるような主人公の目から見た社会。それは、太宰治から見た社会とほとんどイコールで、その社会は綺麗事と、その裏のえげつなさに溢れていることを濃厚に描いている。
もちろん、少し昔の文体なので、読みにくい部分もあるけど、なんとなくな力は感じる1冊。よくわからん箇所はよく分からんでいいと思うし。無理して、分かったズラをしなくても良いと読みながら思う。
この1冊がここまで評価されて、歴史に残った理由は分からない。もちろん、つまらなくはないけどね。
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小檜山 歩
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