「AKBのような大きなうねり」を仕掛ける仕組みを解明してくれる1冊 阿久津 聡『ソーシャルエコノミー 和をしかける経済』

(ネットの献本サービスで頂いた一冊です)

今を写し、体系化した一冊。

会社帰りの電車で本を読みながら、隣の人が何をしているのかを観察する。高校生の頃は、ガラケーでメールを打っている人がほとんどだった。でも、今はスマートフォンでTwitterの時代。メールを打っている人の割合は減った。メールの代わりはLINEだろうか。commも少しづつ勢いが出てきている。

土日のお出かけ先をFacebookのイベントから選んだりもするだろう。世界は変わった。短い間で急激にかわり、変わりつつあり、変わり続ける。

人が何かに夢中になり、お金を出すプロセスも変わりつつある。ガラケーでメールの時代に投票権付きのCDが200万枚以上売れるなんて誰が考えていたのか。ボカロとかいう人間じゃない主体がパリでコンサートをして、ボカロの曲がカラオケで歌われる曲の第1位になるなんて誰が考えたか。

でも、現実はそうなり、お金が動いている。そこには新しい経済が生まれた。ビジネスマンならその経済を学ばないといけない。そのための教科書。

なぜ、AKBがここまで盛り上がったのか。その理由はソーシャルエコノミー。この本のタイトルでテーマ。

今までにない経済がAKBを動かし、初音ミクを動かし、富士宮やきそばを動かし、お金が生まれ、仕事が生まれている。ただ、その経済を作るには工夫も体力も心も必要で、下手をすると損をしてしまう可能性がある。失敗の一つがステマであり、やらせ。

新しい経済の中でも優劣がつき始めているのが現状。ただ、この経済には新規参入のチャンスがある。だからこそ、学ぼう!生かそう!

ひたすら時間を使って、お金をひねり出す、昔ながらの経済ではなく、みんなが楽しんでお金を生める経済はこれかもしれない。「AKBのような大きなうねり」を仕掛ける仕組みを解明してくれる1冊。☆5つ。

【引用集】

「みんなの意見」なんて、実はどこにもない。調査などで一人ひとりの意見を人口合成して、それっぽく見せているだけのこと(P26)

「企画やプランニングで一番重要なのは、真っ先に自分がおもしろがれること」(P27)

(ソーシャルメディアで)求められるのは常に一人称的な「個」の気迫。そつない人には、そつない人しか集まってこない。公的情報発信を、わざわざソーシャルメディアでやる必要はない。(P30)

ソーシャルエコノミー 和をしかける経済
阿久津 聡, 谷内 宏行, 金田 育子, 鷲尾 恒平
翔泳社 ( 2012-09-19 )
ISBN: 9784798128122

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。