リングは黄色に光っていた。
とんでもない量の紙テープが上から降ってくるわけもなく紙テープ投げ入れ禁止の大会で投げ入れられた紙テープに振られて引退するのも天龍源一郎らしい。
私がプロレスにハマりだした中学生の頃に柴田勝頼ボコボコにしたプロレスはハマりだしの自分をがっちりプロレスの世界に引きずり込んでくれた。ゾクゾクする男のぶつかり合いを平成生まれの自分に最初に見せてくれたプロレスラーが天龍源一郎だった。
11/15、革命終焉と名付けられた大会をもって、猪木・馬場の両方からピンフォールを奪った男、ミスタープロレス・天龍源一郎が引退した。
プロレスの過去が多めだけど、今も入っている大会だった。
イマイチな動きをしている選手とか技のミスもあったんだけど、そんなものはどうでもよくなった。メインイベントで天龍源一郎の引退試合を見ることが出来れば他のことはどうでもいいと思える自分がいた。
両国の駅を降りて両国国技館の入り口へと向かう道すがらに目に入ってきた何本もののぼり、チケット売り場での完売のお知られ、ロビーの異常な混み具合と全てがいつもと違っていた。
ファンの層もいつものプロレスファンだけじゃなくて昔から天龍源一郎を見てきた人たちが集まっていた。
メインイベントは昭和のプロレスラー・天龍源一郎が平成のプロレスラー・オカダカズチカと相対する。
このシングルマッチの絵だけでご飯が食べられる。
17分27秒の熱戦の中には最後まで今の自分を見せようとする天龍源一郎がいた。確かにコーナーに寄っかからないとパワーボムを出せなかったり、座った相手に対してじゃないと延髄斬りを決めることは出来なかったかもしれない。
それが今の天龍源一郎で精一杯の天龍源一郎だったんだろう。最後まで濃密なプロレスがあって、見るものの心を熱くする何かがあった。
照明のせいかもしれないけど、リングは最後まで天龍色の黄色に輝いていました。
天龍源一郎さん、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
小檜山 歩
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