少し前に「LGBT」ではなくて「セクシュアル・マイノリティ当事者」と呼ぶのが適切だという前書きのもと有名企業もLGBTのイベントに協賛し始めているという記事を読んだ。
「CSRの取り組みとしてダイバーシティ&インクルージョンの重要さが広まったことにより、支援をアピールすることの社会的意義を企業が考えるようになった」なぜLGBTの一大イベントに有名企業が協賛するのか https://t.co/YQ36DNCXvP pic.twitter.com/ov6N6KGIGV
— 小桧山 歩(こひやま あゆむ) (@ayumu_kohiyama) 2018年5月1日
私はイベントに積極的には関わっていないし「セクシュアル・マイノリティ当事者」でもない。でも、考える。自分はたまたま女性が好きなだけであってそうじゃない人もいるから。
ドキュメンタリーでも、タイでも。傍らに。
大学時代にドキュメンタリーを作る授業を取ったことがある(途中で投げ出してしまって同じグループだった人には申し訳ないことをしました)。その時に選んだテーマがLGBTだった。連絡を取って会ったこともある。少し前まで駐在していたタイ・バンコクでは巷にたくさんいた。
タイ語の先生のうちの1人が”当事者っぽくて”手を触ってきた。
待てよと。
女性なら”触ってきた”なんて思わない。これが無意識にある差別なのかもしれない。
”いいんじゃない”ですまさない
”当事者”に関する話をすると、「気持ち悪い」という反応と「いいんじゃない」という2つの反応に大きく分かれるように思う。「いいんじゃない」はよいとされるかもしれないけど、それが突き放しているのかもしれない。
そんな「いいんじゃない」で済まされない現実をもってきた。主人公である弥一の双子の弟である涼二は16歳の時に弥一にカミングアウト(自分が「セクシュアル・マイノリティ当事者」であると伝えること)をした。そして、カナダで男性同士で結婚した。
そんな弟がカナダで死んで弟の故郷である日本に”弟の夫”であるカナダ人のマイクがやってきた。そんなところから兄視点でお話は始まる。マイクに”お兄さん”と呼ばれる自分はどうするのか。”いいんじゃない”の向こう側へと連れて行く。
どっちもハズバンド。ワイフはいない。
弥一には一人娘がいてカナダ人のおじさんであるマイクのことを楽しむ。でも、弥一は楽しめない。カナダ人の女性をワイフとして連れてきたら違った対応になったかもしれないと考える。
そして余計なことも考える。男女の夫婦だったらその2人のセックスなんて考えないのに。そんな見えにくい深いところにある気持ちを描く。それも自分の家族が”そうゆう”結婚をしたことを通して。
もし自分の子どもが、家族がそうなった時のために考えるヒントになりそう。
【手に入れたきっかけ】
Kindleの週替りまとめ買いキャンペーンで気になったので
【オススメ度】
★★★★★
小檜山 歩
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