事件が久しぶりに新日本プロレスで起きた「WRESTLE KINGDOM 17 in 横浜アリーナ」 2023年1月21日

横浜アリーナ大会は新日本プロレスの人気ユニットであるロスインゴとNOAHの人気ユニットである金剛のシングル5番勝負が注目を集めていてせっかくだしということでPPVを買って翌日に見たのだけどそれ以上に話題になっていて映像で見て確かにこれは事件だと感じたのがオカダカズチカと清宮海斗の無効試合だった。

オカダ・カズチカと清宮海斗で確かな事件が起こった

新日本プロレスといえばアントニオ猪木の時代から事件が起こってそれを強みにしてきたのだけどここのところはリング上での事件はなかった気がする。どちらかと言えば「おっ！」と思わせる話題はNOAHからの方が多かった。メインイベントのタイトルマッチで30分睨み合ったまま動かなかったり、DDTの王者をビンタで倒してしまったりと事件がNOAHのリング上やレスラーから起こることが多いように感じていた。

新日本プロレスが名実ともにトップの団体になったことで昔の全日本プロレスやいっときのNOAHのように確固たる戦いをリング上で見せればいいとなっていることも大きいのかもしれない。逆に成り上がっていかないといけないNOAHが事件を起こす昔の新日本プロレスイズムを纏ってきているのかもしれない。

オカダ・カズチカと清宮海斗の1年ぶりの邂逅の中で相手にしないオカダと突っかかる清宮がいてオカダは絞め技も清宮に背中を見せてかけていた。挑発のようにも見えるそんなシーンの中で清宮が普通のカットを見せるもオカダは相手にせず、次のそれまでのカットとは質の異なるキックがオカダの顔面に入った。

そして、オカダは清宮に突っかかって場外での乱闘に。普通なら乱闘を一定時間したら離れて試合に戻るのだけどこの日は戻らずにお互いがやり合っていった。

見ていると清宮の顔面キック、オカダの反撃で終わらずに清宮が再度攻撃して止まらなくなったのが決定的だったのではないかと感じている、関節技をかけている相手への顔面蹴りは前田日明が長州力に決めたのがあまりにも有名でオマージュなのかもしれないと思いつつ、その後のバチバチはNOAH側である清宮がけしかけたのではないかと思えるシーンだった。

いつも自信満々のオカダの表情がどこかいつもと違ってどこか泣きそうにも見えたのは自分だけなのかもしれないけどなんでこうなるんだと思っているようにも映った映像だった。本当にシングルで戦うのかも気になりつつも、武藤敬司引退試合の東京ドームで試合が組まれたのも楽しみになっている。

なにが起こったのかわからずに議論を巻き起こすシーンは本人たちはわからないけどプロレスを見ている中でのワクワクでそんな謎が残るシーンを見ることができたのは久しぶりでこれからの展開を期待せざるを得ない事件だった。現場で見ることができるシングルマッチに期待していきたい。

清宮海斗の顔面蹴りからオカダの反撃までは想定通りで清宮海斗の反撃からのかまし、「ビビってんのか」のマイクアピールは想定外でオカダがどう思っているのかが気になる映像だった。

他の試合もよかった

横浜アリーナ大会はこのオカダカズチカと清宮海斗に持ってかれた感もあるのだけど矢野通のうまさや丸藤正道の間合いとチョップの魅力はデスペラードの地に足がついている戦い、AMAKUSAのすごいダイブ攻撃など見応えがあった。

シングル5番勝負は3対2でロスインゴが勝利することになった。タダスケの一瞬のうまさや征矢に陽の目が当たることの嬉しさ、高橋ヒロムの安定感もありつつやっぱり実力者だけどタイプの違う鷹木信悟VS中嶋勝彦と大将戦の内藤哲也VS拳王の試合の重みがあった。中嶋勝彦の痛々しい攻撃を受け止めた鷹木信悟の強さも真っ向勝負感があってよかったし、拳王のバチバチを内藤哲也がかわしつつもプロレスのやりとりで下したのも実力を感じさせてデハポン締めから最後の武藤敬司の引退試合申し込みまでストーリーとしてよかった。生で見る引退試合がどんな結末になるのか楽しみになりつつ、事件を感じさせたPPVでした。