【概要と感想】
言葉って世間を表す。だから、面白い。アメリカを表す言葉たちをあの映画評論家がピックアップ!
今年の”流行語大賞”が「おもてなし」・「じぇじぇじぇ」・「半沢直樹」・「今でしょ!」に決まったんでしたっけ。
ドラマは2つとも見てないし、東京オリンピックはやるべきじゃないと思うし、東進は関わりないし、ということで、全て、ネタでも口にしなかった言葉たち。
ご紹介した言葉は日本の”流行語”ですが、この本はアメリカの”流行語”を紹介してくれます。
ただ、筆者もはじめに書いている通り、「今でしょ!」のようなノリで使うと危険な単語もたくさんありますし、英語の勉強にはほぼ、役に立ちませんので、あしからず。
アメリカで出来た新しい言葉からアメリカを読みとく1冊。著者は映画評論家としてもお馴染みの町山智浩さん。TBSラジオのPodcast愛好家の私は「小島慶子キラ☆キラ」・「たまむすび」での映画評論コーナーでの分かりやすい解説で映画選びの際に大変お世話になっているアメリカ在住の方。
そんな町山さんがアメリカの現場で使われるようになった新語を取り上げて、背景とともに解説する『週刊文春』で行っていた連載が1冊の本にまとまった。
エンタメ・事件・科学など、様々な分野から言葉をピックアップしているが、一番多いのは政治の言葉。連載が2009年から2012年ということもあり、オバマ、ティーパーティー、サラ・ペイリンがよく出てきます。
もちろん、2011年の東日本大震災の時の連載も収録。政治の言葉が多いのはそれなりに注目されているからでしょう。4つも”流行語大賞”が出たのに、1つも政治の言葉が入らない日本ってどうなんでしょうね。
それはさておき、事件ものでは日本の最近の話題とダブるものがある。フラれた相手を脅して、復縁を迫る際に付き合っていた頃に撮影したアダルトな画像をネタにするという「リベンジポルノ」がジワジワと話題になっていますが、そういう写真を送ることを「Sexting」と呼び、アメリカでは自殺者まで出る問題になっているとのこと。
「Overshare」の話題もたまに目にしますし、「Frenemy」は大人も子供も心当たりあるんじゃないでしょうか。意味はこの本を読むか、調べてみてください。
タイム誌が選ぶ2011年の顔についても触れています。発表された際にも話題になりましたが、「Protester(反対する人)」でした。これに対するイラストがブラックジョークで面白い。
2011年の(ガラパゴス版)重要人物のイラストがあり、「日本では広告代理店が重要人物を選ぶんだョ!」と”元気よく”言っています。
そーいえば、そのイラストの人は今、どこに居るんだろう。見なくなったんですよね。
イラストが誰かは読んで確かめてみてください。
【引用】
世の中が善意だけじゃないって現実を。
「信じる」って言葉はこんなに安易に乱発するものなのかね?パチンコ屋の「出る出る詐欺」と同じで、信じる信じると安易に言う奴ほど信じられないものもない。
【入手きっかけ】
町山さんの映画評論とクーリエ・ジャポンでの連載が面白く、この人の視点をじっくり一度、読んでみたいと思ったので購入しました。
【本へのリンク】
小檜山 歩
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