仕事の中でつらかった時とか大変だった事なんですかと聞かれることがある。正直、会社員になる前にもバリバリの会社員の方と一緒に活動することもありその時に結構鍛えられた覚えがあるけど、一番印象に残っていて話すことが多い時期がコンサルタントに転職し、最初のプロジェクトに入った2か月ぐらい頃のことかもしれない。
いろんなことを考えた上で新卒1年半で50人規模のベンチャーから数千人の働くコンサルティングファームに転職した。営業の泥臭さだったり何でもやり切るところではうまいこといかなかったけど頭の良さには自信があった若造の自信がそこそこ砕かれたのがこの時期だった。
第二新卒で転職したこともあって3ヶ月間の研修を受けることができた。最初の一ヶ月は同期と一緒に研修を受けることになったが、自分がいたような小さな会社から転職した人はほとんどいなく、自分でも知っているような大手企業から転職してきた人が多かった。そんな中でも研修でうまいことやっていけたらと思っていたからこそ、無駄に天狗になっていたのかもしれない。
研修を終えてシステムのプロジェクトに入ったのだけど、全く知らない中で何をしていいのか全くわからない状態にも関わらずなぜかがっつりやらないことが決まっている。試行錯誤しながらも翌日のミーティングに向けて作った資料に対して言われたのが冒頭の一言。
「これ、明日出すの?」
もちろん、言い方は柔らかかったかもしれないが、自分の自信がそこそこ砕かれたのは言うまでもない。今思うと、大学生活の間に培ったスキルでそこそこごまかしていたことに気づき、イチからやり直さないといけないと思った夜だった。
この出来事があったからこそ、自分はまだまだ未熟であり勉強し続けないといけないということ、今までサボっていたんだということに気づかされた。仕事のやり方でバッサリいかれる経験を若いうちに何度もしていくことは大事で、年を重ねれば重ねるほど怒られることは少なくなってしまうからこそ、若い時から厳しい環境によっことは大切だなと改めて思う。
今でもまだ30代前半なので怒られる経験はさらに積んでおかないといけないからこそ、メインの仕事以外にもいろんなことをやってみようと思えるようになっている。
後輩から勧められた『苦しかったときの話をしようか』はまだ読めてないんだけど、自分のつらかったときのことを考えてみようと思って思い出してみた。
今につながる「これ、明日出すの?」を言われた日の神谷町の交差点は涙で滲んでいたかな。