【本】家族のお話が出てくる。親は完璧だと思っていた小学生の頃を考える 『図書館戦争』(有川 浩)

 

人を差別すること。この人の気持ちになって考えてみてよという人。
本当にその人の気持ちになって考えることなんてできんの?

【入手経路】

1作目を気に入って、2作目から4作目を一気に買いました!

【概要と感想】

家族。人生で一番長い時間を過ごす人。
子供の頃は親、結婚したらパートナー、子どもができたら我が子とかでしょうか。

まだ、結婚もしていないし、子供も出来ていないので、親について。

本の中でも主人公の笠原郁が自分の職種を親に隠しており、そんな中、親が職場に来るということで、大混乱!という話から始まる。
過保護な親に嫌気がさし、図書隊をやっているなんてことが分かったらどうなるかわからない。
そんな中、どう対処しましょうか、という話から入る。

そういえば、小学生の頃までは間違いなく親は正しいと思っていたけど、年を重ねるにつれ、
親も同じ人間で、完璧じゃないことに気づき始めてショックだった自分が居たことを思い出す。

そんな、家族との関係が1つ目のテーマ。

もう1つのテーマは差別。そして、ラブコメ急展開と大きな陰謀。
本が自由に出版できなくなった時代。検閲と戦う図書隊の活躍を描く大ヒット小説の第2弾。

登場人物の家族が出てきて、ショートストーリーがいくつか続き、その中で家族と差別について考えることになる。

差別はいけないと声高に叫んでいる人が本当は最も差別をしている人なんじゃないか?という問い。

耳の聴こえない女のことに耳の聴こえない女の子の小説を進めた男性が差別だとされて捕まる。
でも、耳の聴こえない女の子はその本を楽しく読んだ。

こんなことがあったら、どう思いますか?

この本の中に出てくるモンダイを簡単にまとめてみた問いなので、考えてみてほしい。

さて、この『図書館内乱』は図書館シリーズの2巻目であと、3巻と4巻が残っている。

主人公の笠原郁は王子様と読んでいた初恋の人がいがみ合っていた直属の上司だとわかり、
恋愛パートにも新展開がありそう!?

そして、図書隊員の周りでうごめく大きな組織。そんな中で物語は続いていく。

読みやすい文体の中で、ドキドキワクワクしながらも高度な問いをいくつも投げかけてくれるシリーズなので、
ぜひ、ご一読を!

【引用】

お膳立てされたキレイな舞台で戦えるのはお話の中の正義の味方だけよ。現実じゃ誰も露払いなんかしてくれないんだから。泥被る覚悟がないんなら正義の味方なんか辞めちゃえば?(66)

公序良俗という社会的に大きな名分でよりヒロイックに酔っぱらっているだけ(110)

【本へのリンク】

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
小檜山 歩
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。