なんと清々しい歴史小説なんだろう。21世紀の歴史小説の形はこんなものなのかもしれない。小難しさは控えめに、読みやすい文体で描かれてはいるものの、歴史小説らしい時の重みは刻まれている。
まだ、時が確実には定まっていない時代には権威ある者が定めた時が正しいとされていた。そんな中、様々な人の様々な想いをこれでもかというほどに背負い、それを力に変え、時を定める戦いに挑んだ男の物語。
時代は徳川幕府が出来てから少し経った後。人々が戦いを忘れ、武士の力による支配ではない何か新しい時代の足音が聞こえてきている頃。
一人の算術家で碁打ちの渋川春海こと、安井算哲が時を定める戦いを天に挑む。一人の数学オタクがコツコツと計算をしていくのを丁寧に描くものではなく、混乱から安定の時代に移り変わっていく中での価値観の違いや様々な歴史上の人物との関わりの中で時を定める戦いに挑んでいく者が描かれている。
エンターテイメントも十二分に含まれている物語だからこそ、主人公とヒロインの”そーいう”シーンも描かれる。でも、なんだか色っぽくて短い文章でそこまで直接的ではないんだけど、ドキッとしてしまった。
【引用】
今日が何月何日であるか、その決定権を持つとは、こういうことだ。
宗教、政治、文化、経済-全てにおいて君臨するということなのである。
時を定めることの意味を振り返った言葉
【手に入れたきっかけ】
Kindleのキャンペーンで気になったので購入!
【オススメ度】
★★★★★
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小檜山 歩
コンサルタント : 日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。
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